2022年08月06-08日 旭岳・トムラウシ山縦走

初めて北海道の山を歩きました。その最初がこの縦走。山の雄大さを見せつけられた縦走なのですが、私には少しハード過ぎたような気がします。しかし、記憶に残る山歩きになりました。
KTさん、SKさん、NGさんとの4人旅です。

とにかく、雄大な山を体感できました。
北海岳から白雲岳へのルート。

1日目

天気 晴れ
ルート数値
距離13.0km 累積標高+1,700m, -1,300m 所要時間 7時間10分(休憩込み)
行程
6:10ロープウエイ姿見駅6:20 – 9:00旭岳山頂9:10 – 間宮岳分岐10:40 – 11:35北海岳11:50 – 13:00白雲岳分岐13:15 – 13:30白雲岳避難小屋

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
略。一般ルートです。

経過

 たくさんの花を見ましたが、花の情報はこちらのページにまとめました。

 4日に大洗港からフェリーに乗船し、5日に苫小牧へ。港近くの食堂でとんかつを食べました。途中、スーパーマーケットで食料などを調達して、旭岳ロープウェイ近くの宿に着いた時はすでに暗くなっていました。素泊まりですが、風呂はかなり良かった。明日からの縦走装備の最終確認をしました。私は年齢は一番上なのだが、ハードな縦走は始めて。過重装備をいくつか指摘され少し減らしました。多分500gぐらい軽くなったでしょう。
翌朝、ロープウェイの始発に合わせて宿を出発。

すでに20人近くが並んでいましたが、始発に乗ることができました。
姿見駅から見ると、旭岳方向から陽が登っていました。

安全登山キャンペーンで経口補水液が配られていました。その補水液を飲んで登山開始。

姿見駅近くでも、お花畑が広がっているそうなのですが、8月になると花はかなり減っていました。羽化したチングルマ、アキノキリンソウはたくさん見られました。後方の尾根は当麻岳の尾根です。

振り返ると麓の町は雲海の下です。

旭岳石室に到着。ここで先ほどの補水液のペットボトルを回収していました。至れり尽くせりです。

石室前の姿見の池。旭岳・噴煙が湖面(池面?)に写っています。

次第に傾斜がきつくなり、足元はザレてきます。

かなり登ってきました。振り返ると雲海はかなり取れて来たようです。

右側に四角い岩が見えてきました。ニセ金庫岩なのだそうです。

そこで南側を見ると私たちが今回大きな目標にしているトムラウシ山が見えました。もちろん、確定できたのは帰宅後カシバードで確認したからなのですが。中央右側の三角の山は下ホロカメットク山だそうです。そして、右端に十勝岳も見えているようです。

本物の金庫岩。岩にとっては本物もニセモノもないはずなのですが、人間が勝手に分けてしまっています。

まもなく山頂です。

旭岳山頂。山頂は結構広かった。

西側の地獄谷を上から眺めることができます。

周辺の山。


休憩後、旭岳を東に下りましたが、結構傾斜がきつくて滑りそうな場所もあります。

裏旭キャンプ場が見えました。

右の沢で雪渓が切れた場所で大休止。腹ごしらえをしました。そして、沢に下りて冷たい水を飲んでみました。今回、私たちは携帯浄水器を持ってきたので、初めての実地使用です。水は冷たくて美味しかった。でも、大量の水を浄化するには面倒そうです。

間宮岳への登り。

間宮岳。ここからはアップダウンは少なくなるようです。

左下の窪地は御鉢平と呼ばれています。左の山は北鎮岳、その右は凌雲岳。

歩きやすい道です。

北海岳に到着。ここで少し休んで、南東に下りました。

その下り。良い風景です。7月上旬だとこの先にはお花畑が広がっているのでしょうね。今回も、少し先の雪渓近くできれいな花をたくさんみました。右奥は白雲岳です。

白雲岳を左に巻きます。

白雲岳の北側は雪が遅くまで残っているので、たくさんの花が咲き残っていました。チングルマも白い花を咲かせていました。

2か所で雪渓が残っていました。アイゼンは持っていませんが、通行に問題はありませんでした。

白雲岳分岐。

標識にセミが止まっていました。エゾゼミだそうです。今回の山行では至る所でこのセミの鳴き声を聞きました。

少し下ると避難小屋が見えてきました。右下にテントサイトも見えています。

小屋が近づくと、今まで見なかった花が見えました。トリカブト・ミヤマアズマギクなど。
水場を渡ってすぐ白雲岳避難小屋に到着。テント泊の予定だったのですが、ヒグマが近くに居ついてしまったのでテント泊は禁止となりました。それで、小屋泊に決定。
小屋内はコロナ対策で仕切りが置かれていました。私たちは1階の一番奥に場所決めされました。小屋は女性の管理人が仕切っていました。ちなみに、この小屋では小屋利用協力金2,000円、登山道利用協力金1,000円が要請されて、その代わりに手拭いを頂きました。

小屋周辺の景色。
東の谷にはヒグマがいました。先ほどまで雪の上で昼寝をしていたそうです。

北側のテントサイト。今回は使用禁止です。

東方向。緑岳が見えています。谷の雪渓上を歩いてくる登山者が見えます。登山地図によると板垣新道があるようだ。

トイレ。古いですがきれいに使われていました。ちなみに使った紙は各自が持ち帰りです。私もチャックのある密封ポリ袋に入れて、携帯トイレ回収ボックスまで、持ち帰りました。

明日歩くルートが望めました。中央奥がトムラウシ山のようです。まだまだ小さくしか見えません。

小屋で早めの夕食を済ませました。今回の食料計画はNGさんの立案ですが、できるだけ軽いものという事で、アルファ米などが用意されました。しかし、それだけでなく添え物が沢山あります。初日のマッシュポテトは美味しいのですが食べきれずに残ってしまいました。幸い、隣で、今日ヒサゴ沼から来たという男性に色々とルート情報を聞いていたのですが、その男性にもたくさんおすそ分けさせてもらいました。
小屋内はイビキをかく人もおらず静かだったのですが、なかなか寝られません。睡眠導入剤も服用したのですが、寝入るには時間がかかりました。多分、3-4時間しか寝ていないと思います。

2日目

天候 晴れのち曇り
ルート数値
距離20.7km 累積標高+1,290m, -1,320m 所要時間 12時間10分(休憩込み)
行程 
白雲岳避難小屋3:30 – 6:50忠別沼6:55 – 7:47忠別岳7:58 – 9:45五色岳10:05 – 11:30ヒサゴ沼分岐11:45 – 12:50天沼13:10 – 15:00北沼分岐15:10 – 15:40南沼キャンプ場

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
略。一般ルートです。

経過
2:30頃起きて朝食を簡単にすませました。まだ寝ている人もいるので気が引けます。
小屋の前です。真っ暗です。3:30に出発。

30分、灌木帯を下るとなだらかな尾根にでました。少し明るくなり、ヘッドランプ無しでも歩けます。

明るくなると、前方に忠別岳が独特の山容を見せました。右が切れています。その右奥に薄くトムラウシ山も見えています。

緑岳の右側から朝日が昇ってきました。奥の山は武利岳と武華山らしいです。

高根ヶ原分岐手前。忠別岳・トムラウシ山を目指して進むのみ。少し水たまりがありました。

高根ヶ原分岐。三笠新道への分岐です。ヒグマが多いので利用禁止だそうです。

振り返ると、旭岳が朝日に映えていました。手前は後旭岳です。

傾斜はありませんが、石の多い尾根を進みます。まだ、日が登ったばかり。影が長く伸びています。

ハイマツ帯もあります。ここは根を跳び跳びに進みます。

忠別岳避難小屋からやって来たというグループと行き交いました。

木道もありました。

忠別岳が近づいてきました。

忠別池です。少し休みました。前夜、小屋で会った青年にサンショウウオを見たと聞きましたが、私には見えませんでした。

忠別岳への登り。緩やかな登りですが、疲れます。

忠別岳に到着。今までは左側(東側)が切れていましたが、ここからは右側(西側)が切れています。

この辺りも、お花畑が広がっていたようです。

トムラウシは雲が掛かっていますが、かなり近くなりました。でも、まだまだ遠い。

左下に忠別岳避難小屋が見えます。

登山道はハイマツや灌木に塞がれる場所が増えました。

その中に段差もあって、どっこいしょと登ります。

五色岳に到着。

本当のピークは少し離れた場所にありますが、私たちには向かう気力がありません。

五色岳で一休みしていると、男性が単独で登ってきました。沼ノ原から登ってきたと言います。
朝早くから重いザックを担いで歩いているので少し疲れています。もう少し休んでいたいのですが、目的地はまだまだ先です。休んでいるわけにはいきません。

化運岳が見えてきました。やはり右が切れています。

この辺りもお花畑だったようです。

石ゴロゴロだったり、木道だったり。先のトムラウシは山頂部は雲が掛かっています。天気が心配になります。

木道にこんなものがありました。黒ずんでいるので少し古いもののようです。

アキノキリンソウがいっぱい。

その先は湿原でした。

化運岳には寄らずに先に進むことにします。

ヒサゴ沼分岐に到着。

ここで、休みながら相談しました。全員疲れているので、ここからヒサゴ沼へ下って泊まるか、トムラウシへ向かうかです。疲れているけど今日は南沼まで行くことになりました。正直私はどちらでも良いと思っていました。大いに疲れていますが明日の事を考えると先に進んでおいた方が良いと思いました。けれど疲れているのは事実です。
このとき、私はトムラウシの北側のルートの厳しさを理解していませんでした。

南の分岐まで100m以上下ります。その先に登り返しのルートを見るとひどく疲れた気分になります。トムラウシは霞んでいます。

右下の雪渓が残っています。SKさんが「ドラゴンアイ」だと言いました。私はその名前だけは聞いたことがありますが、実際どのようなものかは知りません。でも、雪渓が溶けた水が溜まっていい色になるのでしょう。天気が良ければ色がもっと鮮やかになると思うのですが、残念です。

南のヒサゴ沼分岐。標識の先は岩だらけでした。沼からこちらに登ってくるのは大変そうでした。

これから登りが続きます。岩も増えてきます。

平になると、奇岩が増えてきました。ここから日本庭園が始まるようです。

右に池があります。これが天池かと思ったのですが、違っていました。

天池はその先にありました。水を浄水して飲んでみましたが、冷たくありません。奥には残雪が見えたのですが。

お花畑。岩だらけの地形ですが、その中にもお花畑は広がっていました。

ロックガーデンの始まりです。とにかく岩だらけでした。ルートを間違えると厄介なことになりそうです。黄色いペンキの方向に進むのですが、そのためには岩を越えたり、跳んだり。岩の間に落ちないように岩の上に残る踏み跡を探しながら進みます。しっかり安定した岩が多いので、また乾いているとフリクションもきくので、怖さはないのですが、岩の間に落下すると大怪我しそうなので慎重に歩を進めました。

岩は途切れる場所もありますが、すぐ登場します。


最後のこの辺りが一番踏み跡が分かりづらかった。とにかく黄色マークを目指して岩を1つ1つ登りました。

1980mまで登るとひとまずなだらかになりますが、ガスがでてきました。

やっと、北沼分岐まで到着。すでに15時になっています。コースタイムではトムラウシ経由でもトラバースに比べて15分しか違わないのでトムラウシに登る予定だったのですが、ガスに包まれた山頂をみて、トラバースに決めました。

沼のそばも岩だらけです。以外に大きい沼です。

雪も残っています。

足元の悪い場所もありましたが、お花畑もあります。

疲れマックスで南沼キャンプ地に到着。小さなテントサイトが複数あります。

まず、テント設置場所を決めて地面をならします。テント敷設後、水の調達に行きました。すでにテント準備が終わり寛いでいる男性登山者がいました。水場を尋ねると親切にも案内してくれました。でも、そこで多くの水を汲むには時間がかかりそうなので、もう少し先で探すと雪渓から流れてきている小川があり、そこで簡単に水を汲めました。その場でも浄水して飲んでみましたが美味しい水です。その場所は一番上のサイトから上に踏跡を辿ってすぐの場所です。
テント場で食事の準備をしているとトムラウシのガスが晴れました。その後もまたガスに覆われたり取れたりと忙しい天気です。明朝もいい天気ではなさそうなので夕方に登っておいた方が良いのでしょうが、誰もその気力は出てきません。
 このキャンプ場には携帯トイレブースがあります。今回、初めてそれを使いました。使用済みのトイレセットは密封袋に入れて翌日ザックにぶら下げて下山しました。かつてはこのキャンプ場では使用済みのペーパーだらけだったらしいですが、今回はそのようなゴミには気付かなかったので携帯トイレは普及しているようです。途中の登山道ではいくつか捨てられているのを見ました。携帯トイレの広範囲での普及を願いたいものです。
 テントは3人用でそこに2人なのですが、荷物が占領して狭くなります。私はテント泊に慣れていないので中の整理がうまくできません。アドバイスを得て整理して、ギリギリ寝るスペースを確保しました。

3日目

天候 曇りのち雨
ルート数値
距離12.1km 累積標高+1,190m, -2,180m 所要時間 7時間55分(休憩・テント回収込み)
行程
南沼キャンプ場5:40 – 6:10トムラウシ山頂6:20 – 6:50南沼キャンプ場7:30 – 前トム平9:20 – 10:00コマドリ沢分岐10:18 – 10:55急登上11:05 – 12:20カムイ天上12:25 – 温泉コース分岐13:14 – 13:35短縮コース登山口

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
略。一般ルートです。

経過
久しぶりのテント泊でしたが、疲れもあって、前日の避難小屋よりは眠ることができました。しかし、熟睡はできません。
5時前に起きて、簡単に朝食を済ませて、山頂を目指しました。デジカメを忘れたので写真はスマホです。
すぐトムラウシ分岐です。

岩の多い急斜面を登っていきます。

山頂直下は岩場でした。

山頂に到着。狭い山頂です。ガスに包まれて眺望はありませんでした。山頂を踏めて、昨日の苦労が報われたわけで、感無量です。各人いっぱい写真を撮りました。

テント場に戻って、テント回収。

さあ、下山開始です。
先程の分岐まで戻って、トムラウシ温泉方向に向かいました。

最初は岩の多い道です。

お花畑もあるのですが、朝霧に濡れています。

トムラウシ公園なのだそうです。草地に奇岩がたくさんありました。



その先の登りで一休みしていると温泉側から登ってくる登山者に会いました。早朝に歩き始めたのでしょう。
さらに登ると少し平らになります。

小規模なロックガーデンを下ると、

前トム平です。少しだけ平らな場所でした。

この標識からは沢沿いを下ります。

そして、コマドリ分岐に着きました。分岐は2つの沢の出会い部分でした。

沢出会で水を補給。先ほどから降り始めた雨が止みそうにもないのでレインウエア上下を着こみました。
分岐から10分ほど進むと、急登が始まります。25分の急登らしいですが、途中で一休みしました。登ったところで大休止。
そこからは緩やかな尾根の下りとなりました。
1391地点手前。

登山道は笹刈がされていますが、一部、ぬかるんだ場所もあるので滑らないように注意しました。
まもなくカムイ天上。

カムイ天上で一休みして、最後の踏ん張りです。でも、また休んでしまいました。

短縮路コースの分岐。

ここまでくるともうすぐでも、最後の最後に90度の右折があるはずです。「あれだ~」と喜んだのは手前の弱いカーブでした。
「今度こそ、90度」。やっと90度右折して、まもなく短縮コース登山口に到着しました。ホッとしました。安堵です。
途中、顔色が悪くなったメンバーも無事下山できました。
リーダーの車はその近くにきちんと回送されていました。まず携帯トイレを回収箱に入れました。何と箱のなかに他のゴミが入っていました。情けない限りです。レインウエアを脱ぎ、登山靴を履き替えました。

そこから、トムラウシ温泉までの林道は乗用車には結構厳しいものでした。所々で車腹をこすりました。

トムラウシ温泉東大雪荘の風呂は良かった。3日間の汗と疲れを流してくれました。私は冷水で疲れている脚を冷やしました。この冷水浴は効果があったのか、かなりひどいことになる筈の筋肉痛は少しの痛みで済みました。

その日は、清水町まで移動して、畑の中の宿に宿泊。家族的で、贅沢ではありませんが美味しい食事でした。

翌日は、休養日で、富良野郊外でジンギスカンのランチ。四季彩の丘で花のパッチワーク模様を楽しんだ。花は見事だが、蒸し暑くて閉口する。北海道でも近頃はこんな日があるんですね。ただ、お花畑の奥には明日上る予定の十勝の山々が見えていた。

その後、コーヒーショップで休んでから、美瑛の宿に入った。この宿も食事は美味しかった。
翌朝、十勝岳へ向かった。

カテゴリー: 北海道 パーマリンク

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