2017年 1月17日 高谷山

鹿沼の粕尾と永野の境界尾根にある高谷山に行ってきました。高谷山といえば南のキレット状の地形が有名ですが、その通過ではそれなりに緊張しました。しかし、今回の歩きでは時間の余裕がなく、私にとっては久しぶりのハイペースでの歩きになってしまって、大いに疲れたというのが一番の感想です。今の私の実力からすると、行動時間の少ない今の季節はもう少し短めの計画にした方が良さそうです。
単独行です。

直近(南東から)の高谷山

ルート数値
 距離 13.6Km 累積標高 +1,290m -1,120m 所要時間 6時間50分(休憩込)

行程
星野憩の森P8:25 – 小山芳姫の墓9:25 – 9:44(465P)9:57 – 10:45大越路峠11:05 – 12:30沢坪山 – 14:25高谷山14:35 – 14:55林道 – 15:15自転車デポ地15:25-(自転車)-16:35星野憩の森P

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)

経過
与州加戸沢林道に自転車をデポしてから星野憩の森へ向かいました。最初は与州公民館にデポする予定でしたが、直前にその林道が通じていることを知りデポ地を変更しました。結果的には稜線の切通しにデポした方が良かったのですが、その時にはまだ548Pから西に尾根を歩くつもりでしたから致し方ありません。
憩の森にはすでに1台の駐車がありました。谷倉山へ登っているのでしょう。

南東にそびえる三峰山が四峰山にみえます。

谷沿いの林道を奥に入っていきます。

分岐があります。右は山口沢で谷倉山方面です。左は地層たんけん館となっています。

古い石の標識には「右岩倉山道 左粕尾道」と書かれています。谷倉山は岩倉山とも呼ばれていたのでしょうか、それとも谷倉山の先にある岩倉山を指しているのでしょうか。

分岐から数分で地層たんけん館に到着。2016年の催事ポスターがはられていたので営業はしているようです。

小山芳姫の墓は指定文化財なのだそうです。

林道を奥に進みます。

林道がなくなりました。沢沿いを進みます。

倒木が邪魔をします。2年前の大雪での倒木は広い地域で片付けられないままになっています。

最初は斜面に登って進みましたが、あとは、倒木を跨いだり、くぐったりしながら進みました。
沢沿いには栃木教育委員会が設置した標識が適度にあるので迷うことはありません。
最初の出会いは右に進みますが、2つ目の出会いで標識に従って左の沢に進みます。

そこからは小刻みに標識がでてきて右の斜面に上ると、こんな標識がありました。

小山芳姫の墓は急な斜面にありました。芳姫は室町の人らしいですが、この墓は享保年間に建てられたものです。


上は急な斜面です。

ジグザグに登っていくとはっきりした踏跡に遭遇してマーキングもありましたが、すぐ消えてしまいます。強引に登って稜線にでました。

465Pで大休止。ここはちょうど一年前に谷倉山南東尾根を歩いたときに立ち寄っています。おにぎり2個で腹ごしらえしました。

稜線には薄いですが踏跡があります。時たまマーキングテープも見かけました。私の好きな雰囲気です。
また、時々、樹間に永野や粕尾の集落が見えます。

植林は星野の谷は杉でしたが、この辺りは檜です。

440P。ここで西に折れます。北東方面にも踏跡がありますが、粕尾から登ってくる人がいるのでしょうか。

この辺りでは稜線には植林されていません。ちょうどその空間が山道のように残っているので、ルートが非常にわかりやすくなっています。

大越路峠に着きました。

東屋があるのですが、地盤が弱くなっているようで入らないようにロープが張られていました。

芭蕉の句碑。当然私には読めませんが、帰宅後調べると「山路来て何やらゆかしすみれ草」という句だそうです。芭蕉がここにきて読んだ句ではないそうです。

その少し上の斜面にもう一つ句碑があります。こちらは「梅か香にのつと日の出る山路かな」という句だそうです。どうして、芭蕉の句碑があるのでしょうかね。

大越路峠で11時を過ぎてしまいました。大雑把に約3分の1の行程を2.5時間で歩いたことになります。後5時間かかると、下山はかなり遅くなりそうです。途中キレットもあります。ここで撤退しておいしい蕎麦を食べて帰ることも考えました。もし、他にメンバーがいたらここで撤退したと思います。今日は単独の気楽な歩きなので続行することにしました。
少しスピードアップして歩き始めました。
中継局舎がありました。何の中継をするのでしょう。裏に三角点393.3があります。


三角点を過ぎると岩場がでてきはじめました。

この岩場の上には石祠があります。2つ在ったようですが、1つは壊れています。

石祠の先で右に下ると、コルに立派な石碑がありました。コルは切通しになっていて、かつて人通りのある峠だったようです。

石碑は師範学校の校長先生が作った漢詩のようです。当然私にはチンプンカンプンです。

大越路峠を過ぎてからは現在位置確認はスマホの地図アプリを使いました。この稜線では電波状況は良好です。アプリでは地形図の上に現在位置が表示されるので手っ取り早く位置の把握ができます。画面が小さいのが弱点ですが、それは印刷した地図との併用でカバーできます。スピードアップして歩くときはいいツールです。電池切れに注意する必要がありますが。

435Pの先のピークで、やっと高谷山がみえました。左側(手前)がかなり切れています。

沢坪山に到着。三角点があるので気づきましたが、特徴のないピークです。

沢坪山の次のピークを下るとコルに道祖神と書かれた石柱がありました。ここも峠だったようです。

低い笹の繁茂している場所を過ぎると、はっきりと高谷山がみえました。もうすぐです。

図根点がありました。

キレットに到着。正面に高谷山が真近です。

下を覗くとかなりの急傾斜です。想像以上の傾斜でした。どうやって下りるか思案しました。ロープを使わずに下りるか、補助ロープにつかまって下りるか、懸垂下降で下りるか。ひとまず、ロープを肩にかけて半分ぐらい下りたところに、直径20cmぐらいの木があったのでそのもとで様子をうかがいました。その先は急降下で下りられません。左に回れば下りられそうでしたが、少し面倒そうな場所があります。今日は靴がトレッキングブーツなのでそこで滑りそうに見えました。滑ったら2-3mは落ちそう。その木にロープをかけて懸垂で下りることにしました。それが一番安心して下りられると思ったからです。スリングで簡易ハーネスをセットして半マストで下りました。下りてから見上げました。高さは7-8mでしょうか。

慣れない準備と確認で下りるだけで25分かかってしまいました。下りてから気づいた反省点がいくつかあるのですが、無事に下りられたので良しとしましょう。
次は登りです。ネット情報では左に上るとなっていました。たしかに、左手に谷状になっていて登れそうですが足元が滑りそうな場所もあります。

ストックを1本だけ出して、ホールドがない場所で使うことにしました。何度か滑りそうになりましたが、滑ることなく木の根や岩角に掴まって無事登ることが出来ました。登るとそこにピンクテープがありましたので、下りでもそのコースをたどるのが賢明なようです。
岩の上にでてもまだ山頂ではありません。距離は短いですが急な落葉だらけの斜面を登らねばなりません。左右は少し先で切れていますから、滑落するととんでもないことになりそうです。

山頂に到着。山名板もない静かなピークです。石祠があるので無事を感謝しました。

石祠。お賽銭がありました。こんなに枚数が供えられているのは珍しいですね。

温かい紅茶を飲んで、緊張をほぐしました。
山頂から少し北に下ると、前方に林道が見えてきました。

この林道は、カシミール地図の地理院地図の最大縮尺の最新情報では載っていますが、私が使っている山旅地図ではまだ載っていません。スマホの地図アプリでは最新データを使っているようできちんと林道が載っていました。高谷山から20分で林道に下りることができました。写真の右側から下りてきました。

反対側には、尾根の続きに登れるようになっています。

計画では548Pに登って、西に尾根を下るようになっていたのですが、尾根に登る気力が失せて、林道を歩いて自転車デポ地に向かうことにしました。予定とは違うのですが、今度この先のコースを歩くときはこの切通しから歩き始めればいいやと納得させました。足が疲れているようなので、久しぶりに芍薬甘草を飲みました。

風花が舞ってきました。約20分の舗装道歩きで自転車デポ地に到着。

そこから星野まで何と70分もかかってしまいました。山を見ながらの自転車こぎは楽しいのですが疲れます。
バイクでも買おうかと思ったりするのですが、車に乗るかなあ。
ところで、途中に高谷山を見上げられる場所がありました。中央が山頂でその右がキレットです。

星野から谷倉山。夕日に輝いていました。

疲れましたが、充実の山歩きでした。

カテゴリー: 安蘇 パーマリンク

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