昨年悪天候のため、途中退散となった谷川岳主脈縦走に行ってきました。
谷川岳から仙の倉山までの稜線はアップダウンが多くてハードな尾根歩きでしたが、花の多い雄大な尾根でした。
KRさんとの2人旅です。
花の写真はあとでまとめます。
ルート数値
9日 距離 7.0Km 累積標高 +1,460m,-240m 所要時間 6時間45分(休憩込)
10日 距離 18.4Km 累積標高 +1,490m,-2,400m 所要時間 10時間50分(休憩込)
行程
(9日)
白毛門P 8:35 – 9:40 西黒尾根登山口 – 11:17 ラクダの背 – 13:45 肩の小屋 – (山頂散策)
(10日)
肩の小屋 4:20 – 5:25 オジカ沢ノ頭 5:45 – 大障子ノ頭 6:55 – 7:50 万太郎山 8:00 – 10:15 エビス大黒ノ頭10:20 – 11:30 仙の倉山 11:45 – 平標山 12:45 – 13:25 平標山の家 13:30 – 林道終点 14:23 – 15:10 バス停
ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
略。
経過
(9日)
小山から約2時間で白毛門駐車場に到着しました。平日なので数台しか駐まっていません。準備して登山口に向かいます。ザックが重い。朝、計量したら12Kgありました。
RW駅でトイレを借りて、指導センターに計画書を投函してから登山口に向かいます。良い天気です。
5-6分で水場。指導センターで飲んで来たので、ここは素通りです。もっと上で水場があると助かるのですが。
登山道に残雪がでてきました。今年は積雪が多くて樹林が切れていて傾斜の緩やかな場所にはまだ雪が残っています。
雪は少し山の上まで続いているようです。見上げたとき、一瞬人影が見えたような気がしました。
そこから15分程登った場所でムラサキヤシオが咲いていたので写真を撮っていると横の藪から女性二人が登山道に出てきました。先ほどの残雪をそのまま登ってしまったらしいです。山道に合流できなかったらどうするつもりだったのでしょうか。この女性たちとは肩の小屋で同宿で、翌日同じコースを歩くことになります。
標高1400mを越えると樹林帯が切れて天神尾根が見えてきました。良い天気ですが暑すぎることはありません。清々しい感じです。
岩場になりました。先ほどの女性二人が休んでいます。この岩場から黄色いスミレが登場しました。またここにだけカタクリが残っていました。
クサリがでてきました。北を見ると笠が岳から七つ小屋山への稜線が見えています。
岩場を進みます。この辺りからホソバナウスユキソウが見られるようになりました。
笠が岳、朝日岳の左奥に中ノ岳・越後駒ヶ岳が見えました。少し霞んできました。
山頂が近くなりました。小屋へのトラバース地点から見たトマノ耳とオキノ耳。ちなみに、肩の小屋の管理人さんに尋ねたところ、トマ(近く)、オキ(遠い)という意味だそうです。今年は雪がたくさん残っています。(KRさん撮影)
オキノ耳からトマノ耳を見ます。残雪が崩壊仕掛けています。私たちが近くを歩いているとき、ドドドーとその崩壊する音が聞こえました。
トマノ耳に三角点らしき石柱があるのですが、深く埋め込みすぎです。(ネット情報によるとそれは盤石で、三角点は亡失しているそうです。地形図にも三角点記号は消えています。)
小屋に戻って、17:30から夕食。19時には横になったのですが、なかなか寝られません。今回はwalkmanを持参して、落語を聞きながら寝ようとしたのですが、落語が聞こえている間はウトウトしているのですが、終わると目が冴えてしまいます。落語は、桂米朝のもので、7話です。その落語は40年前から聞き込んでいるので新鮮味はありませんが、その分睡眠効果が高いのです。家では15分も聞くとそのまま寝てしまいます。でも、山小屋ではだめでした。起きるわけにもいかないので何度もwalkmanのスイッチを入れ直しました。
外は就寝時は雨模様だったのですが、いつのまにか月夜になっていました。月明かりで明るすぎて寝られません。
結局、熟睡なしで朝を迎えました。でも、4時間ぐらいは半熟睡だったと思います。
さあ、核心の縦走の始まりです。
朝、3:40頃に起き上がりました。早朝にもかかわらず小屋でポットの湯は用意してくれました。水も煮沸して冷ました物が用意されています。片付け、準備が終わったのは4:15頃。
4:20頃、管理人さんに見守られて出発。まず小屋から下ります。
中ゴー尾根分岐にはこんな標識がありました。
マツダランプとは懐かしい名前です。私はそのランプを使ったことはありませんが、昔はブリキの古い看板をよく見たものです。高校で世界史の時に「マツダランプのマツダはソロアスター教の光の神アフラマズラからとったものだ」と教わったのを覚えています。つまらないものだけはよく覚えています。
一瞬この細尾根を登るのかと思いましたが、左に踏み跡が回り込んでいました。上にシャクナゲが咲いています。
左に回ると、ハクサンイチゲが咲いていました。この尾根ではたくさんのハクサンイチゲが見られました。
オジカ沢ノ頭に着きました。ここで朝食を食べました。小屋で用意してくれたおにぎり弁当です。大きくて1個で十分でした。食べているときに同宿の単独男性がやって来ました。小屋で朝食を食べてからやってきたようです。
少し下ると、避難小屋があります。
万太郎山を目指して進みますが、その前に小障子ノ頭・大障子ノ頭があります。
大障子避難小屋。往復20分に水場があるそうですが、今は雪に埋もれているのではないかとのことです。
この下りは肩の小屋の管理人さんに注意するように言われていました。崩落してかつ滑りやすい状態でした。
滑りやすい場所を下りてから振り返りました。
山頂で休んでいると、男性二人組がやってきました。聞くと、今日西黒尾根を登ってやってきたようです。西黒尾根は3時間で登ったとか。おまけに一人は70歳だとか。私たちとはレベルが違う登山力です。後から来たのに、休憩も簡単に済ませて下って行きました。軽快な足取りでどんどん進んでいきます。
私たちはもう少し休んでから万太郎山を下りました。霧が消えてきました。
尾根が少し広くなると、ハクサンイチゲ・シラネアオイが咲いていました。
これから向かうのはエビス大黒の頭です。その先に仙の倉山も見えています。
風が強くなってきました。エビス大黒の頭への登りはきつかった。
吸い込まれそうな深い谷。ここまでもこのような谷はありましたが、できるだけ見ないように通り過ぎました。でも「怖い物見たさ」でしょうか、ついに見てしまいました。もちろん、重心を低くしてゆっくりと前に進みましたが。
仙の倉山への登りもきつかった。頻繁に足を止めてため息を付きます。
やっと仙の倉山に到着。そこは賑やかな山頂でした。苗場方面から多くのハイカーがやって来ています。
雨が降り出しそうな空模様なので短めの休憩で歩き始めました。
ここからは傾斜は緩やかそうです。
最初の計画では松手山経由で下山予定でしたが、もう登りはイヤ、雨も降りそう、ということで山の家経由の下山に変更しました。
平標山からの下りでは残雪のある場所がありました。
ガスが一気に広がってきました。雨が降ってきたので雨具の上着を着込んで、ザックカバーを付けました。
平標山の家に到着。水が美味しかった。水が豊富なのは本当にありがたいことです。
ブナの山道を下ります。ここで同宿だった女性二人組にまた抜かれました。山の家で休んでいたそうです。
約45分林道を歩いて、バス停に到着。雨は止みません。バスを待っている内に寒くなってきました。
越後湯沢の旅館で疲れをとってから翌日土合に向かいました。
翌日は快晴です。
越後湯沢駅のホームから大源太山が見えました。
土合駅。駅前に駐車すれば良かったと思いました。(KRさん撮影)
白毛門Pに到着。2日前は数台だったのですが、今日は日曜なのでたくさん駐車しています。
無事、帰ってきました。