私にとって初めての丹沢へ行ってきました。大倉から蛭ヶ岳の往復です。
平日とはいえ、さすが人気の丹沢です。人が多かったですね。喧噪と言うほどではありませんでしたが。週末はこの何倍にもなるんでしょうね。
塔ノ岳の北斜面がちょうどシロヤシオの見頃でした。天気が良くて花・新緑・青空それと富士山を十分に楽しんできました。
久しぶりの、前夜車中泊、営業小屋泊まりです。
それにしても、今回、疲れました。おまけに山から風邪を持ち帰ってしまいました。
前回の歩きから間が少なかったので疲れが取れていなかったのかもしれません。山歩きを楽しむには十分な休養も必要なことを痛感しました。私の場合は4-5日は必要なようです。
2016.5.25 「花」を後ろにまとめて追加しました。
ルート数値(2日間合計)
距離 27.7Km 累積標高 (+2,550m,-2,550m) 所要時間 15時間(休憩込)
行程
(18日) ビジターセンター(5:35)- 駒止茶屋(6:55)-花立山荘(8:57-9:07) – 金冷やし(9:25)- 塔ノ岳(9:45-10:30) – 丹沢山(12:00-12:10) – 蛭ヶ岳(14:17)
(19日) 蛭ヶ岳(5:50)-丹沢山(7:30-7:40)-塔ノ岳(8:55-9:15)- 金冷やし(9:29)- 花立山荘(9:42) – 駒止茶屋(10:50) – ビジターセンター(12:08)
ルート図省略
経過
年間計画を会に提出するときにこの時期に丹沢へ行くことは決めていました。このブログでも何度か触れていますが、私は人混みが好きになれないのでアルプス(北・南・中央)・丹沢などの人気の山域へはまだ行ったことがありません。平日の山歩きができるようになったので今年は丹沢・アルプスへの足を伸ばそうと考えていました。
ルートはまず主脈の三山を歩こうと、戸沢・(天神尾根)・蛭ヶ岳・(政次郎尾根)・戸沢に決めました。人気の山域とはいえ静かな場所も歩きたいと思い2つの尾根をルートに入れました。
装備の準備も大変でした。車中泊・小屋泊なので、いくつか新規購入して、車に置く物、ザックに入れる物などに分類しました。
もう一つ面倒だったのは車のルートです。昨年6月、新車を購入してその時にカーナビも付けているのですが、圏央道のデータが古いままでした。往路の五霞ICはすぐ分かったのですが、帰路での相模原ICでは少し迷ってしまいました。ナビデータも更新しておかないとだめですね。
17日の9時に家をでました。丹沢を大回りする予定です。いつか北丹沢・西丹沢を歩くときの参考にする為です。五霞ICまで新四号で南進してそこから圏央道・中央道をへて相模湖ICで下りました。この辺りへ行くには圏央道ができて本当に便利になりました。まず道志村へ行きます。相模湖から国道413号にでるまでの県道が走りづらく時間がかかりました。多分、相模原ICから西に入った方が良さそうです。道志の湯近くの駐車場を確認して道の駅へ。そこで蕎麦を食べました。あったかい蕎麦だったのですが、出された蕎麦をみてびっくり。蕎麦が固まっているのです。多分早く茹ですぎたのでつゆを入れる前に固まってしまったのでしょう。おばさん、手順が悪いよ。蕎麦は美味しかったですが。
そこから山中湖・三国峠・小山町経由で西丹沢自然教室へ。
秦野市で夜食と明朝食、それに行動食を調達して戸沢へ向かいました。戸沢へ向かいながら悩んでいました。今日はずっと雨です。明日の天神尾根は急傾斜らしいからかなり滑るだろうな、いやだな、と思いながら山道を奥に進んでいくと道は荒れて右側の崖が今にも崩れてきそうに思えます。地震が来るとやだな。
結局、大倉からの登りに変更しました。多分、新茅山荘の手前あたりで折り返したと思います。
大倉に来ると駐車地をどこにするか迷いましたが結局24時間営業の有料駐車場に駐めました。私の車だけでした。料金は平日1日500円。ビジターセンターの駐車場は平日1日400円なので多少割高ですが使用時間の制約がない有料駐車場が安心して使えると思います。ビジターセンターのトイレが借りられました(深夜、電気は消えていましたが、トイレは使えました。)
5時ころからビール(正確には「第3の」が頭に付く)を飲みながらコンビニ弁当を食べました。焼酎も持ってきた分すべて飲んでしまいました。明日の分が無くなってしまいました。落語のCDを聴きながら7時過ぎには寝てしまいました。
朝4時少し前には目を覚ましました。そろそろ起きようかと思っていると、車が駐車場に入って来る音がしました。車の外に出ると、それは夫婦連れでした。登山準備を終えると軽く準備体操をして歩き出しました。朝食はお茶漬け。ご飯は昨日コンビニで買っています。その後、片付け・準備をして5:30頃駐車場を出て行きました。その頃までには駐車台数は4-5台になっていました。
ビジターセンターでトイレをすませて山歩き開始です。舗装道を奥に進みます。「山神社(やまのかみしゃ)」がありました。大山祇神(おおやまつみのかみ)を祀っているいるのだそうです。足利大坊山の麓に大山祇神社がありますが、もしかすると読み方を間違っていたのかもしれません。私は「おおやまぎ」と読んでいました。
観音茶屋に到着。道脇の新しい小屋はトイレです。有料100円(これは統一されていました)。今回歩いた範囲では、私の感覚では、十分と思われる数が設置されていました。週末は行列になる場所もあるでしょうが。
山道には、雨水をできるだけ登山道に流さないような工夫がされています。溝を掘って、斜面に流すのです。その溝の脇には木製の鍬のような形をした道具がおいてありました。最初それを見たとき何に使うのか判然としなかったのですが、歩きながら考えると、それは、溝にたまった石や土を掻き出す道具のようです。
分岐。700m先で合流するらしいので、できるだけ尾根に近い方が良いだろうと思い、左を選択しました。帰りは右から戻りました。
この山荘の前では蛇口から水が出しっぱなしになっていました。20円の使用料を払って飲ませてもらいました。水は冷たくありません。かなり遠くの沢から引いているようで管のなかで少し暖まるようです。
見晴茶屋。外観のきれいな山荘でした。しかし、人の気配がなかったので週末のみの営業なのでしょうか。
戸沢への分岐。戸沢から天神尾根を登ればここに出るはずでした。コースタイムでは戸沢から70分です。今日はすでに2時間50分も歩いています。
今日は足取りがかなり重くてなかなか進めません。前回の日留賀岳の疲れが抜けきっていないようです。花立山荘へはこの階段を上らなくてはなりません。思わず道脇の岩に腰掛けてしまいました。
どんどん登山者が追い抜いていきますが、まだ一人も抜いていません。
富士山の眺めはいいものです。愛鷹山もユニークな山容です。
休んでいると、「丹沢のチャンピオンの名刺はもらっていますか」といいながら逞しい男が山を下りてきた。
名刺をもらうと「丹沢登山回数世界チャンピオン」だという。5300回を達成したという。しかし、事実とは言え「世界チャンピオン」を名乗ることは普通ならないだろうと思いました。今日もこの時刻に下りてくるのだから随分と健脚なのでしょう。短パンからむき出しになっている脚は見事な筋肉でした。「どこまで登ったら1回とカウントするのですか?」と質問しようと思ったがやめました。この名刺、名前・住所・携帯電話番号・eメールアドレスまで書いてある。今の時代「大丈夫なの?」と心配してしまう。
仏様が祀られています。帰宅後調べると、過去七仏の四番目の狗留孫仏(くるそんぶつ)をお祀りしているようです。「過去七仏」という言葉を初めて知りました。お釈迦様が七番目の仏様なんだ。
ちなみに、塔ノ岳山頂にはかつて尊仏岩という信仰の対象になった岩があったらしい。「お塔」とも呼ばれたのでそれが「塔ノ岳」の由来らしい。その岩は関東大震災の余震である丹沢地震の時に北東の谷に転落したらしい。その一部は残っているらしく急斜面をたどって行けるがかなり危険な場所だという。
塔ノ岳山頂で大休止して展望を楽しみました。
富士山。その右奥には南アルプスが見えます。
西丹沢方面。中央が檜洞丸、その右奥で頂きが平に見えるのが大室山です。
蛭ヶ岳方面。中央の頂きの丸い山が蛭ヶ岳です。山小屋も見えました。その左奥には、大菩薩嶺・国師ヶ岳が見ます。
大展望を楽しんでから塔ノ岳を丹沢山方面へ下りました。そこではシロヤシオが見頃を迎えていました。
崩落地。ハシゴを登るとき手すりがないのでバランスを崩すと危険でした。翌日の下りはもっと怖かったです。傾斜が中途半端なのですが、危ないと思ったら這うように登り下りするのが一番安全だと思います。
尾根にはシロヤシオは少なくなりますが新緑がまぶしくなります。
丹沢山からの下り。オオバイケイソウが鮮やかです。随所に見られました。
これからたどる尾根。右奥が蛭ヶ岳。中央は不動の峰のようです。
休憩所の分岐には「水場3分」の古い看板があります。下りてみました。3分ほど下ると、踏跡は少し崩落している場所に繋がりました。私は水に困っている訳ではなかったので、そこで折り返しましたが、水流の音は聞こえていました。枯れることも多いそうですが。水場への踏跡でいくつか花を見つけることができました。
不動の峰
鬼ヶ岩からの下り。クサリがあります。急傾斜地で浮き石が多いので、上に人がいるときは落石に注意が必要です。大きな浮き石もありました。
その右手。大室山は中央右寄りにしっかりと尾根を延ばしています。奥の方に南アルプスが見えているはずなのですが。
相模原から横浜へ続く町並みが見えます。丹沢三峰の尾根が伸びています。
三角点は斜めになっていました。見づらいですが、向こう側は山荘で、1mぐらい堀り込んでいます。それで三角点石柱が向こうに倒れてしまいそうでした。
宿泊者用山荘入り口。オレンジのタンクは雨水貯水用。右側にもあって。洗顔などに使用しました。きれいな水でした。飲料には使えませんが。
山荘管理人はおじさん一人でした。受付終了後簡単な説明を受けて大部屋に案内されます。すでに布団は敷かれていて一人1つの布団を指定されました。今日は比較的空いているのでしょうが、満員になると二人で1つの布団になるようです。
トイレはバイオトイレで清潔に保たれていました。多少の臭いはよしとしましょう。
ビールを頼むと350ml缶500円。随分と冷えていました。冷蔵庫がありました。ソーラー発電で山小屋の事情も変わってきたようです。夕食はおなじみレトルトカレー。おかわり自由。私もおかわりしてしまいました。もちろん、カレーのおかわりはなし。漬け物・佃煮で食べます。ハミガキは雨水を使いました。ハブラシだけです。
一部の方は自炊でした。その為の場所がありました。
携帯電話(docomo)の電波は圏外でした。管理人のおじさんに尋ねると、姫次方面に5分下りるとつながるよと言われました。3分ほど下がると繋がりましたが、通話中に圏外になってしまったので、もっと下がってかけ直しました。
夕日で南アルプスのシルエットがはっきりと。中央右寄りが甲斐駒ヶ岳です。
8時消灯でした。
ところが、私は洟詰まりがひどくて寝付けませんでした。約15名の大部屋で誰一人もイビキをかいていないというラッキーな環境なのに、自分の洟詰まりで寝られないとは。夕日・夜景を見て体が冷えてしまったようです。上はしっかりと着込んでいたのですが、脚を冷やしてしまいました。
朝4時に起き出しました。多分2時間ぐらいしか眠れなかったと思います。
日の出。東の水平線に雲がかかっていたので雲の中から浮き出すようにでてきました。4:34
朝食はご飯・味噌汁・佃煮・漬け物。ホウジ茶を3杯飲んで水分を補給しておきました。
今回、私は水2.5Lを持参してきました。これで2日間保ちました。これを1Lぐらいにして、都度補給すれば、こんなに疲れなくても済んだかもしれませんが、水を買うというのはどうもピンとこないのです。貧乏性です。
朝出発前の富士山。今朝はかなり強い風が吹いているのですが、カラッとはしていません。少しかすんでいます。
どこで電波が繋がったのか、昨夜、実家から電話があった不在通知が届いているのに丹沢山で一休みしているときに気付きました。丹沢山の南1504地点の南で圏内になったのでそこで連絡を取ると急用ではなかったので一安心。老親と離れているので、実家からの電話は気になります。
塔ノ岳への登りでまたシロヤシオと富士山。
塔ノ岳からは一気に下りました。といってもコースタイム2:20のところを3:00。
やはり、今回の山歩きは快調とは言えませんでした。
下りでは大勢の登山者に会いました。50名ぐらいでしょうか。「こんにちは」の挨拶も疲れました。
下りてきたところに「供養塔」と「忠犬...」がありました。この辺りで誰か犬と一緒に亡くなったのでしょうか。
帰宅後調べてみたのですが、よく分かりません。
「丹沢登山の心得」がありました。確かに、私は標高差を甘く見ていました。
無事、駐車場に到着。駐車場は7割ぐらい埋まっていました。週末では競争になるのかもしれません。
スーパー銭湯で汗を流し帰路につきました。ヤビツ峠経由で相模原ICへ行ったのですが、ヤビツ峠から北側は対向車が多いと神経をすり減らしそうでした。相模原ICではスマホでICの位置(東経・北緯)をナビに登録して捜したのですが、看板を一つ見逃したおかげで、自動車道の直下を通り過ぎてしまい、入口を捜してウロウロしてしまいました。
無事、帰宅。すぐ、かかりつけの医院に行って風邪薬をもらってきました。来週は実家に帰るのでそれまでに直さないと。
花
大倉尾根下部にて
大倉尾根上部にて
塔の岳~蛭ヶ岳
丹沢山塊もいいですね。
写真すべてがからっとして、空気も澄んでいるようで。
やはり、主だったピークを歩くとなると、山小屋泊が無難ですね。まして平日ののんぴり歩きをするのでしたら。
あまり意識はしていなかったのですが、丹沢って、意外に山小屋が多いようですね。
写真で見る限りは、ハイカーの姿も閑散としているようですが、参考まで、蛭ヶ岳山荘にはどれくらいのハイカーが泊まっていました?
丹沢には2回ほど行ったことがありますが、どうも、奥多摩以上に都心寄りのイメージが強くて、以降、なかなか足が向きません。一旦、東京方面に向かわないといけないからなのでしょうが、みつまんさんの記事を拝見し、丹沢もいいなと改めて認識したものですから。
たそがれさん、こんばんは。
老母に顔を見せに帰省していたので遅くなりました。
蛭ヶ岳山荘は当日は15名ぐらいでした。でも管理人のおじさんによると、週末は40名のツアー予約が入っていて、シロヤシオの時季なので総勢100名ぐらいになるのではないかと話していました。そんな時に出くわしたら災難です。
ところで、丹沢の尾根には植生保護のために山道を外れて歩かないように注意看板がたくさんあります。それで、丹沢でバリエーションルートを歩く人は少ないのかなと思っていたら、宿泊者の話によると、山道以外も踏跡だらけだそうです。どの山域にも同じように好き者がいるようです。安蘇には「歩くな」という看板はないのでありがたいです。多分、私が丹沢を再度歩くとすると、西丹沢・北丹沢の主要尾根を歩いて終わりかなと思います。