2016年 2月 26日 南摩川北尾根

この山域を「南摩川北尾根」と表記してよいかどうかはわかりません。鹿沼の荒井川と南摩川に挟まれた山域ですが、南摩ダム開発で名前はそれなりに有名な「南摩」を勝手に優先させてもらいました。
読図訓練という形の山歩きだったのですが、かなりの難物でした。上り方向に歩いたのですがそれでも現在位置を間違って把握してしまう場所がいくつかありました。
ピークごとに現在位置と進行方法の確定を行ったので、ミスルートはありませんでしたが、時間はたっぷりとかかってしまいました。実際にみる地形と地形図表現とでは受け取り方が全く異なる地形があることを思い知った山歩きでした。このルート、山歩きだけを考えるとおすすめのルートではありません。眺望が少なく植林地が大部分です。
Mさんとの2人旅です。
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ルート数値
距離 12.9Km 累積標高 (+1,010m,-1,010m) 所要時間 7時間10分(休憩込)
(約4.5Kmは車道歩きです)

行程
加園小南東駐車地(7:50)-P300(8:38)-三角点388.8(9:15)-基準点No12(10:45)-P367(11:29)-「下りの時注意」(12:15)-「北へ分岐」(12:35)-三角点396.2(13:15)-老沢城址(13:40)-下山地点(13:56)-駐車地(15:00)

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
南摩川北尾根

経過

私がこの山域を知ったのはヤマレコでDIYさんの報告「鹿沼 P388 (読図試し)」読んだからでした。
早速、カシミールで地図を精査すると確かに稜線は方向を頻繁に変えて、主稜線を追うのも難しい場所もあります。「ここは絶対ミスルートするな」と確信を持てる場所まであります。すぐ計画を立てて歩く予定だったのですが結局今日になってしまいました。
最初は、下り基調で歩こうとしたのですが、「もっと時間がかかるかもしれない。エスケープを考えると上りしよう。」というMさんの意見で上り基調に歩くことになりました。

7:40頃に加園小学校近くに到着。きれいな真新しい林道ができているのですが進むとすぐ行き止まりになります。工事は継続しているのでしょうか。予算切れで中途半端のまま終わってしまったというような状態です。
林道の入り口まで戻って、圃場整理をしている広い路肩に駐車しました。
駐車地からすぐ南の谷に入って右側の尾根に取付きました。急傾斜です。
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すぐ尾根に着きました。北斜面はかなりの急傾斜です。数日前の雪が残っていますが、凍結はしておらず歩きにくいことはありませんでした。
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今回の山域の主稜線に到着。
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三角点の東のピークへの登りです。今回のルートは踏跡はあまりありません。ただ、山林作業者のものと思われる踏み跡が薄くありました。それらはピークを巻いているので、踏み跡を追うことはありませんでした。
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三角点388.8に到着。三等のようでした。
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RKさんの山名板
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こんなテープが巻かれていました。私たち以外にもこのルートを歩く方がいることに心強く思いました。
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三角点から下ると、南側が崖になっていている個所があります。そこで樹間から谷を渡る立派な橋が見えました。この橋は地形図には載っていませんが、Google地図で写真表示にすると見ることができます。多分、南摩ダム関係の先走り工事で作られたものだと思いますが、ダムがつくられなければ供用されることもなく税金無駄遣いの遺構としていつまでも残るのでしょうね。
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樹林帯の中にケーブルテレビのアンテナがありました。倒木がケーブル線を押し倒しそうになった個所がそのままになっていたので多分今は使用されていないのでしょう。
堀切された峠がありました。地形図では上見立地区から南西に延びてきた道が途中で消えていますが、かつては粟沢までの通路として使われていたのでしょう。両方向にちゃんと道形が残っていました。
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その峠からの登りです。次第に岩がでてきました。
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右手には派生尾根上のP393が見えました。
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P393の尾根を派生するピークです。ここで大休止しました。
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前方には歩いてきた尾根が眺望できます。
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基準点No12があるピークへの登りです。私たちは少し右手にトラバースして回り込みました。
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基準点No12標識。
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2級基準点なのだそうです。
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この基準点があるピークで現在位置確認に時間を要しました。私は、実際の位置の北西にあるピークだと思っていました。最終的にはGPSで位置確定しましたが、地形読みの難しさを実感したピークでした。
二つのピークを比較すると、尾根の派生方向(北東・西)はほぼ同じ。ただ、北東方向の尾根は規模が全然違います。まるでAカップとFカップのバストを比較するようなもの。それなのに勘違いしてしまいました。今になってよく観察すると、南西方向への派生尾根の有無で判別できたのにと思うのですが、現地ではそれに気づくこともありませんでした。

基準点の次のピークでは本日一番の眺望がありました。
男体山から女峰山です。手前の赤白の鉄塔がある山は鳴蟲山だそうです。
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横根山。やはり同じような鉄塔があります。
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この尾根には馬酔木が多かったです。馬酔木の藪は初めての経験のように思います。すぐ終わりますが。
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P367にも基準点がありました。No17だそうです。No13-16はどこにあるのでしょうか。
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狸の溜糞。いろんなものを食べているようです。
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広いコルに降りました。地形図では補助線が描かれている珍しい場所です。ただ、この補助線のおかげで右手の谷が北西に深く入り込んでいることがよくわかります。下りでは多分この補助線がなければきちんとこのコル下りることはできないでしょう。ここがルート図で「下りの時要注意」と記したピークの南西のコルです。
その斜面を見上げます。
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上には少し岩もあります。左に小さな尾根形があり途中からそこを上りました。
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ピークに登って一休み。ピークから見るとコルは急傾斜の下にあります。まさかそこを下らなくてはならないとは思わないでしょう。そして、南へ下って谷に降りてしまって「アレッ」ということになるでしょう。私たちは上りで遭遇したので大丈夫でしたが。
尾根の雪が増えてきました。
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「北への分岐」ピークの手前の岩。途中から右手に回り込んで上りました。
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「北への分岐」ピーク。
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主稜線から北に派生している尾根は大岩の多い尾根でした。しかし、回り込めば難なく通過できます。
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別の岩(通過後振り返る)
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三角点396.2ピークにやっと到着。「やっと」というのは、途中地形図にでないピークがやたらと多く現在地の特定が難しかったからです。
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三等だったと思います。
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RKさんはすごい。鉄板・針金・白ペンキを持ち歩いて山で記入しているのでしょうね。
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尾根を下ると、堀切された場所に着きました。老沢城址が近いようです。
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老沢城址です。この城址の存在は今回の歩きの事前調査の時に初めて知りました。北側から歩くつもりでその取付地点を探しているときにストリートビューの写真で知りました。その後、Googleで多少調べると概略図を作成している人もいました。
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周辺も堀切されていました。
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城址から少し下ると、尾根の突端から集落を見渡すことができました。
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ここからは藪を下ります。
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下りたところは墓地の横。ストリートビューで確認していた看板がありました。
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降りてきたのは後ろの尾根ではなく少し左手の小さな沢です。尾根には岩があるようでした。
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ここからバス停に向かいましたが、バスには1時間以上待たねばなりません。結局、1時間歩いて駐車地まで戻りました。
読図訓練には良い場所かもしれませんが、山歩きを楽しむには不向きな山でした。

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