筑波山の北側の加波山からきのこ山へ周回してきました。今年の2月に加波山から雨引山へ歩いていますので、その尾根縦走を少し延長したことになります。
2月に加波山を訪れたときは、山頂への階段に雪が凍結していて、山頂に行くことを断念しましたが、今回も前々日の初雪が残っていました。もちろん、凍結していなかったので歩行に問題はなかったのですが、私と加波山は雪の因縁があるのでしょうか。
尾根にはハングライダーの基地がたくさん作られいて、大勢のライダーを見かけました。しかし、登山者は僅かでした。下山後、駐車地で2組の登山者に会っただけでした。
一人旅です。
ルート数値
距離 15.2Km 累積標高 (+1,180m -1,180m) 所要時間 7時間15分(休憩込)
行程
駐車地7:05 – 9:00加波山 – 10:20一本杉峠 – 11:10足尾山 – 12:25きのこ山- 13:35林道へ-14:20駐車地
経過
27日の天気予報が悪く、その日に計画していた山行が中止になりました。じゃあ、26日にどこかに行こうというわけで思案した結果が加波山です。24日の雪も加波山では大したことないだろう。というわけで、加波山から上曽峠までの計画を立てました。KRさんも行けるということなので峠に車をデポすることにしました。
しかし、KRさんが急に行けなくなって一人旅になってしまいました。自転車をデポすれば同じようなルートを歩けるのですが、気楽なひとり旅なので、きのこ山から尾根を下って周回することにしました。
7時過ぎに加波山神社本宮前の駐車場に到着。すでに宇都宮ナンバーのホンダ車が駐車していました。登山者でしょうか。
この左わきを進むと、数分で、なんとも派手な神社がありました。加波山神社拝殿なのだそうです。「加波山神社」で似たような名前が多いのですが、経緯は不明ですが、諍いが発生していることだけは事実のようです。「神様じゃないか、仲良くしなよ」とできないものなのでしょうか。
詳細な経緯は不明ですが、帰宅後調べたことによると、こちらの派手な加波山神社の言い分としては、「加波山神社本宮」また「加波山神社親宮」と名乗らずに「三枝祇(さえなづみ)神社本宮」「三枝祇神社親宮」と名乗ってほしいようです。どちらが正しいかは私にはわかりません。
舗装された道を奥に進みました。
二合目の寝不動尊鳥居。ここから中に入いります。
寝不動尊です。ここでもお詣り。まことに申し訳ないのですが、ここ以降はお賽銭なしです。拝殿に二か所にあげたので仲良く分け合ってもらいましょう。
不動尊前にこんな標識がありました。律儀な私は三合目の方へ進んだのですが、五合目に進んだ方が尾根道なので良かったかもしれません。
石段を上るとまた舗装道に出ました。そこには桜観音があって、そこが三合目でした。
岩の捨て場なのでしょうか。足尾の庚申山への林道わきに天狗の投石という場所がありますが、こちらは「フォークリフトの投石」でしょうか。
右側は石切り場です。軽トラで上ってきたおじさんがいました。石切り場では今日も仕事のようです。
山道の様子。落葉が濡れて滑りやすくなっていましたが、ごく普通の山道です。
そのすぐ上にこんな標石がありました。右左の位置関係がおかしいので別の場所にあったものを移設したのかもしれません。
山頂に本殿があるのですが、山頂下にも拝殿があります。
加波山神社山頂拝殿です。
右には加波山親宮拝殿があります。左の加波山神社拝殿とは打って変って質素なたたずまいです。
その間の石段を登っていきます。雪がかなり残っているので慎重に歩を進めましたが、2月に来た時のように凍結はしていないので安心して登れました。2月はここで引き返しました。
加波山山頂付近には沢山の神社があります。本殿です。そこまでお詣りに来るのが大変なので峠に拝殿、里にも里宮・拝殿が作られているようです。
まず加波山親宮本殿
北西方面に日光の山々が見えました。白根山・男体山・大真名・小真名・女峰。
その神社の前に「自由之魁」と彫られた岩がありました。加波山事件の記念碑のようです。
少し進むと、本宮の山頂拝殿があります。神社に大がついています。一体どうなっているのでしょう。そしてその左側の社務所のような建物は山頂に作るには大きすぎるような気がするのですが。
少し下ると旗立石がありました。加波山事件の時にここに「自由之魁」の旗を立てたようです。
少し下ると殉職之碑がありました。この辺りに墜落事故があったのでしょうか。
尾根を下っていくと、低音の不気味な音が聞こえてきました。風力発電所です。場所によっては回っていないものを見かけますが、ここはちゃんと2基回っていました。
休止した場所からは東屋があるのかと思いましたが、近づいてみると柱が斜めになっています。こんな所に土俵があったのでしょうか。
丸山へ行こうと、南側の風車の西に回ると、雪の上に足跡があるのですが、足跡は丸山に登るのをあきらめていました。少し滑りましたが数分で丸山です。
丸山周辺には踏み跡は見当たりませんでしたが(雪に隠れていた)、少し下るとテープがあったので歩く人はいるようです。すぐこんな山道にでました。
この峠は4差路になっているのですが、どの道も通行止め・通行不能になっていました。
風車方面。この右の山道が丸山からの道です。
ここでまたしてもミスルートをしてしまいました。「ふれあいの道」の標石があったので何気なくそちらに進んだのですが、方向が違います。その先で方向を変えるのかともう少し進んでみましたがそうではないようなのでまた峠に戻ってきました。
進むべき山道は、南方面への林道の通行止め看板に隠れていました。登山者のことを考えて看板をもう少し後ろに設置してほしいものです。
ここから山道に入りました。
5分ぐらい山道を進むとまた林道に出ました。通行止めの林道なので落葉がびっしり敷き詰められています。
北方面です。
ところで、稜線にでてから雪の上にずっと足跡が残っていました。昨日歩いたのでしょうか。きっちり残っているので今朝かもしれません。その足跡は随分と大きいのです。かってに「大足さん」と名付けていました。
また林道に出て、山道に戻ります。足尾山への上りは雪がかなり残っていました。小山では2-3センチしか積もらなかったので昨日中に大半消えてしまいましたが、こちらは10数センチ積もったようでまだかなり残っています。
台石に「葦穂山」と彫られています。そう呼ばれていた時期もあったのでしょうか。
足尾山を下ると、新しい足尾神社ができていました。たそがれさんが歩いたときに建築中だったようなので、築2年です。
面白のは「草鞋奉納所」があること。さすが草鞋(ワラジ)はありませんでしたが、履き古した靴が納められていました。「足尾」にちなんで健脚を願うのでしょうか。
足尾神社の南で、ハングライダーを楽しむ大勢の人がいました。振り返った写真。
その少し南の小さなピークを踏んで藪を下ると、同じような基地があって、数人のライダーがいました。藪から変なオッサンが出てきたので怪訝な顔をされました。
そのまた南の小ピークに上ると、東側が開けていました。そちらに行ってみると、そこにもハングライダー基地があるようです。大勢の人が講習を受けているようでした。
そこからの下りでひどい藪に遭遇。こりゃ堪らんと、林道側に逃げようとしましたが、きれいに尾根にのれば歩けるのではないかと再挑戦。でもやっぱりあきらめました。その尾根に赤ペンキの塗られた木がありました。ちゃんと藪を通過した猛者がいるのかもしれません。私はやっぱり林道に逃げました。
林道が盲腸のようにカーブしている場所があります。見上げると急傾斜で笹薮です。あきらめて林道に忠実に歩きました。林道から少し入って、やっと「きのこ山」に到着。
東屋があるのですが、腰を下ろすと埃だらけになりそうでした。
林道に戻ると、西側にハングライダー基地がありました。基地はこの一帯で5-6個あるのでしょうか。風向きによって使用する場所を変えているのかもしれません。今日は東に開けた基地だけが使われていました。
この基地の右端を通過するのが「ふれあいの道」らしいのですが、電柵があって不気味です。ここから笹に囲まれたふれあいの道に入っていきます。
途中、林道を渡って直進します。大男さんの足跡はこの山道にも残っていましたが、この倒木は迂回したでしょうね。私は何とかくぐることができました。
落葉の下りは滑りそうで気を使いました。大男さんの滑った跡がいくつか残っていました。私はなんとかストックでカバーできました。
林道のカーブ地点で広くなっている場所にでます。
ところで、つぼろ岩に向かうときにやたらと甲高い鳥の声がしました。よく見ると篭に入れられた派手な色の鳥が鳴いていました。その近くで怪しげなオッサンがカスミ網を広げていました。とんでもないオッサンです。私がつぼろ岩から戻るとき、そのオッサンは網を片付けていました。
ふれあいの道を下っていくと、分岐になって、右は「みかげ」、左は「伝正寺」(現在は通り抜けできないようです)となります。地図では標高322地点経由で破線道があります。踏み跡もあるようなので山道があるのだろうと思い直進しました。
岩がでてきましたが、古いビニールテープが呼んでいるので登ってみました。
標高322地点あたり。境界杭らしきものがあるのでそれを追って下りました。
そこからは踏み跡は薄くなります。あの破線道はどこへいったのでしょうか。崩落地があるようなのでできるだけ左に寄らないように注意して、時々GPSで場所を確認しながら下っていくとこんな道に飛び出しました。
322ピークから約20分かかっていました。その道は地形図には載っていません。遊歩道なのか、作業道なのかわかりませんが、とにかく下った方がよいだろうと右に進みました。手すりのある橋があったのでその道は遊歩道なのでしょう。すぐ左下に舗装道が見えたので直接斜面を下りてその林道にでました。
そこからは舗装道を約45分歩いて駐車地に戻りました。
端上地区を歩いていると南東方面に真壁富士が見えました。富士と呼ぶには左右にもう少しなだらかなはっきりした稜線がほしいですが。右奥に筑波山。次回この地を歩くときは真壁富士から登りたいと思っています。
右側は少し傾斜のある畑です。平地の少ない四国で育った私にとってとても魅力に感じる地形です。
無事、駐車地に戻ることができました。足は疲れ気味ですが、歩いたという満足感はあります。
朝、駐車していたホンダ車はいませんでした。大足さんだったのでしょうか。
他に2台駐車していて、山から帰ってきたところのようでした。加波山ピストンだったのでしょう。
山では花をみることはありませんでしたが、アオキが赤い実をつけていました。
(2017.2.6訂正。アオキではなくミヤマキシミでした。山仲間のKRさんの指摘で気づきました。)