2014年5月24日 袈裟丸山(南西尾根から郡界尾根)

ヤシオで賑わう袈裟丸山へ行ってきました。最近レポートの多い南西尾根から上り、八反張を経由して、郡界尾根で下りてきました。Kさんとの二人旅です。
花はアカヤシオはまだ結構残っていましたが、期待していたシロヤシオはまだ咲き始めたばかりで、標高の低い場所で少し見られただけでした。
南西尾根への取り付きでまずい選択をしてしまったようです。ルート図をみると判ると思うのですが、たそがれさん、ハイトスさんたちが登ったルートから北にずれています。(青ルートは最近ヤマレコにアップされていたルートでたそがれさんたちが歩いたコースとほぼ同じと思われます。こちらが推奨(少しましな)ルートです)。皆さんがこの取付は急傾斜と報告されていますが、私たちが登ったルートはそれより急傾斜な場所だったようです。かなり苦労してやっと主尾根に合流できましたが、絶対にこの取付ルートはお薦めできません。下山後はぐったりと疲れてしまいました。帰宅後調べると日留賀岳より距離も累積標高もかなり少ないのですが、それ以上に疲れていました。多分、最初の1時間で神経をすり減らしたからだと思います。

ルート

ルート数値
距離9.1Km 標高差 (+980m, -980m) 所要時間 6時間50分(休憩込)

行程
駐車地-(5分)-徒渉-(50分)-南西尾根に合流-(130分)-前袈裟丸山-(40分)-後袈裟丸山-(120分)-登山口-(3分)-駐車地

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
20140524-袈裟丸南西尾根郡界尾根

経過

南西尾根の報告では、皆さんが主尾根にいたるまでが急登だと言っているので、少しでも楽に登れる方法はないかと探していました。直前に、tomoさんのレポートを見て、1295地点から南西に延びる尾根から取付ことに決めました。ところが、ボケ~としながら運転していて取付地点の近くのS字地点を過ぎてしまいました。戻るのも面倒になってしまい、下山後の舗道歩きが長くなるので、なんて勝手ないいわけを付けて、一般的と思われる場所から取り付くことにしました。登山口前の駐車スペースは満車だったので、林道入口前のスペースに駐めました。
ヒル・マダニなどの嫌な報告を目にするようになったので、スパッツを付けます。Kさんが虫除けスプレーをたっぷりと掛けてくれました。(5/26:それなのに、帰宅翌日虫さされで赤く腫れました。皮膚科で薬を貰ってきましたが、昨年も7月に通院しているとのこと。調べると社山大日尾根・半月山周辺を歩いた後でした。)

北に延びる林道に入っていきます。
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すぐ広い空き地があります。私たちは、空き地の奥へ進みました。帰宅後調べるとこの空き地を右手に進むとルートミスはなかったかもしれません。
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空き地を過ぎるとすぐ右手に沢に降りやすくなっている場所があって、そこを降りると簡単に沢を渡ることもできました。
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ここで、地図をよく確認すれば良かったのですが、地図を取り出すこともなく、目の前の急傾斜は避けて、踏跡が見られた左手に進んでしまいました。
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事前の調査で、左手に崩落地を見ながら小尾根を登るという事を記憶していましたので、到着した尾根は当初の計画通りと思い込んでいました。踏跡も明瞭です。今になって思うと、右側も崩落していることにもっと注目すべきでした。
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ここから約25分、かなり苦労しながら急傾斜を登りました。急傾斜で脆い斜面を木に掴まりながら登ります。枯木が多く簡単にパキッと折れてしまう事もあり、必ず、力を入れる前に葉っぱを確認します。掴まるのに適当な木が無い場所もあって本当に苦労しました。私の今までの経験では3番目の難所でしょうか。1番は白根隠山を間違って直進してしまった時のザレ場の下り、2番は沢入トンネル北から鉄塔下に登ったときのザレ場の上り。過去はいずれも単独だったのですが、今回は二人旅なので多少は気楽でしたが。
やっと傾斜が緩くなりました。ミツバツツジが迎えてくれます。
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南西尾根への合流地点ではミツバツツジ・シロヤシオが咲いていました。
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水分を補給して、南西尾根を進みます。
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少し進むと、シロヤシオはまだ堅いつぼみでした。
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30分ほど進むと、1504地点の手前につきます。そこは崩落地でした。
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崩落地から振り返ると赤城です。
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郡界尾根の八重樺原(なんと読むのでしょうか、ヤエカバハラで良いのでしょうか)の先には、雪尾根が見えています。志賀山から岩菅山・苗場に至る尾根が見えているようです。
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1504地点への登りは最初は急傾斜で足下も柔らかいので苦労しますが、すぐ笹が出てきて歩きやすくなります。
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1504地点あたりから少しずつアカヤシオが見えてきました。
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2回目の休憩地点。やたらと休みたくなります。シャリバテ気味でした。朝はお茶漬けで済ませたのですがもっと食べておくべきでした。
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標高1580mあたりからシャクナゲがチラホラ。
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しかし、主役はまだアカヤシオでした。
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標高1600mを過ぎると、一部に細尾根がでてきました。
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1649地点で。後ろに前袈裟丸山が見えています。笹がでてきました。
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東側の尾根。中央が弓の手沢の右岸尾根。その左手は左岸尾根です。左岸の方が少し高くてアカヤシオも多いようにみえました。
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標高1730mあたり。踏跡がはっきりしています。
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振り返ると赤城が。
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富士山がうっすらと見えたのですが、写真では良くわからないですね(写真のどまんなかです)。
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郡界尾根から中野山へ続く尾根が見えます。その右奥は栗生山です。低山とは言え深い山懐です。
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前袈裟への登りにかかると、所々に残雪を見ました。もちろん、歩行には問題有りませんが。この辺りで、男女2人の登山者に先を越されました。ストックも使わずにしっかりと歩いています。
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笹が深くなりましたが、腰までの高さで邪魔にはならず、掴めるので急傾斜も楽に上れました。
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約3時間かけてやっと前袈裟丸山に到着。大勢の登山者で賑わっていました。
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少し休んで八反張へ向かいます。3年前に初めてここに来たときは「禁止」の文字に納得して行かなかったのですが、この3年間でずいぶんと図々しくなったようです。「禁止」の看板があったかどうかの確認もなしに八反張へ向かいました。
少し下ると見晴らしの良い地点があります。後袈裟のすぐ左には至仏山、その左は武尊です。
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後袈裟の右、青黒いのが皇海山。その右は日光白根山です。
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八反張周辺は左右とも絶壁ですが、特に東側は絶壁が長く続きます。その上にシャクナゲが咲き始めていました。
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八反張の鞍部に到着。正面は後袈裟への急斜面がそびえています。
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私は強度の高所恐怖症。歩けるかどうか不安だったのですが、クサリがあってそれに触れているだけでずいぶんと恐怖心が晴れました。ただ、万一滑落するとするどちらに落ちた方が増しか考えていました。やはり西(左)に転んだ方が増しでしょうね。
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鞍部を渡ったところで小さな花が迎えてくれました。1cm足らずの小さなスミレです。白い花も見えているのですが名前はわかりません。
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ユキワリソウ。ユキワリコザクラという説明もあるのですが、正確なところはよく判りません。こんな厳しい環境で可憐な花を咲かせています。よくぞ登山者に踏みつけられずに残っていたものです。
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鞍部からは、最初トラロープにつかまってザレ場を少し登りますが、すぐ笹道になるので笹につかまって楽に急な道を上ることができました。前袈裟方向を振り返ります。南西尾根からの登りはかなりの傾斜に見えます。少し前にあそこを登ったんだと感慨。
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八反張から見た赤城です。中央から左手に伸びているのが先ほど歩いた南西尾根です。
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登りで赤いダニにような虫を見ました。過去にもみた記憶があります。どこだったのだろう(帰宅後調べると、薬師岳から三ノ宿に向かうときでした。そのときも枯れ木を這っていました)。
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後袈裟丸山に到着。10人ぐらいが休んでいました。
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日陰を探して北へ進もうとすると、たくましい青年が飛び出してきました。話を聞くと、今朝3時過ぎに庚申ダム近くから歩き始めて小法師尾根経由で到着したらしい。これから、二子山経由で沢入トンネルへ下りて、駐車地まで向かうと言う。小法師尾根の藪で苦労したようだ。(この青年はjajan37さんでした。ヤマレコにレポートがありました。) 私も一度歩きたいと思っているコースだが想像するとぞっとする。どこかでビバークしないと駄目でしょうね。
適当な日陰がないので、郡界尾根を少し下りてから休みました。
標高1750m付近の緩やかな下り。
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アカヤシオが見えてきた。
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山桜はわずかに白い花びらを残していた。
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1570mあたりでシャクナゲが咲いていました。アカヤシオも。
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標識周辺のシャクナゲ。
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標識横の石祠
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標高1450mあたりの下りでミツバツツジが多くなった。
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つつじ岩とかかれた石柱がありましたが岩はありません。その周辺にはミツバツツジとシロヤシオがありました。シロヤシオはいいなあと痛感。
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左手が開けた場所に到着。振り返ると前袈裟と後袈裟。
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南西尾根の崩落箇所が見える。Y字に削られている。
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この周辺で見た小さな花。
スミレ。花は大きいのだが草丈は小さい。ヒナスミレ?。
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ミツバツチグリ?これも小さな花でした。
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ツクバキンモクソウ
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三角点。1415.1m。白い標柱はありませんでした。
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このあたりを八重樺原というのでしょうか。
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標識
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登山口への下りは階段が多くて疲れます。
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山ツツジ、ミツバツツジが咲いていました。これからは山ツツジの時期なのでしょう。
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無事下山。八反張は「通行注意」になっています。
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看板の下にチゴユリ。
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朝には、帰りに大滝を見て帰ろうと言っていたのですが、Kさんも「いいや」という事で、風呂に直行。Kさんもかなり疲れたそうです。私も同感。やはり最初の1時間で神経をすり減らしたようです。
温泉は、わ鉄の「水沼駅」。私は、水を足に掛けて必死にマッサージ。疲れた足を冷やしました。
それにしても、もっと慎重に歩かねば。

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2014年5月24日 袈裟丸山(南西尾根から郡界尾根) への4件のフィードバック

  1. たそがれオヤジ のコメント:

    お疲れさまでした。
    ふくらはぎの筋肉は引き攣らなかったようですね。
    南西尾根に出るまでは、別にミスコースでもないでしょう。せいぜい、急な小尾根を通過したというだけではないでしょうか。早々に取りつこうとすれば、水に濡れる可能性も高くなります。
    前袈裟の直下のヤブ、それほどのものでもないようでしたね。この時期はまだおとなしいのでしょうね。
    しかし、花もシロ、アカ、ピンク、黄、紫と満開だったようで、よかったじゃないですか。この時期の袈裟丸は最高だったかと。相応に混んでもいたでしょう。
    ところで、「八重樺原」のヨミですが、みつまんさんの今回の記事で意識してしまいました。ちょっと調べたのですが、よくわかりませんね。私は何の気なく「ヤエカンバラ」と読んでましたけど。正しいのかどうかは…。

    みつまんさん、小法師尾根ねらいですか。途中に猛烈なヤブがありますけど、みー猫さんあたりは、あっさりと巻いて歩いたようですね。巻けること自体が不思議なのですが、あのヤブの通過、一人だと精神的にかなり参ります。複数でのお歩きをお薦めいたします。私は下り2回通過で、いずれも気がおかしくなる寸前でした。
    中袈裟に直登する、いわゆる「中尾根」というのもまたおもしろいですよ。

    • mituman のコメント:

      コメントありがとうございます。計画通りにその尾根に取り付いたのなら良いのですが、登った後で違う尾根を歩いてきたことに気付いたのですからやはり問題でしょう。地図読みに自信ありと自認する割には、さんざんミスを犯しています。「小法師尾根ねらい」は無いのですが、夢は見ています。「中尾根」の方が楽そうなのですが徒渉がいやですね。

  2. まっちゃん のコメント:

    初めまして。
    いつも拝見させていただいています。

    一週間前に同じルートを歩いた者です。
    南西尾根取付きが自分と全く同じルートでしたね。
    自分も登りきって上から下を見た時に少し反省しました。
    似たような所はよく通過することがありますが、あそこは木の根も斜面も脆く、自分も2回ほど小さな落石を起こしました。

    みつまんさんの綺麗な写真で一週間前の山行が蘇ってくるようです。
    自分の時は天気が悪くてイマイチでしたが南西尾根のアカヤシオも晴天に映えていますね。

    ブログのほうも同じMovableTypeでテンプレートも同じようですね。
    何やらお仕事も年齢もほぼ重なるようです。
    今後もご活躍期待しております。

    • mituman のコメント:

      コメントありがとうございます。同じ取付きを歩いた方がいたのですね。結構踏跡が濃かったので迷い込むのは私たちだけではなさそうだとは思ったのですが。確かに脆い斜面でした。それにしても、まっちゃんはタフですね。奧袈裟まで往復するとは。わたしもできれば中袈裟あたりまで覗いてこようかと思っていたのですが、尾根取付で疲れてしまって止めました。

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