深田百名山の那須岳に行ってきました。初めての那須の歩きです。三本槍・朝日・茶臼と主要3峰を歩いてきましたが、花が予想以上に多くて満足。往路ではコースタイムを少しオーバーしてしまいました。 いずれ、周辺の山々も歩いて見たいと思います。
コースは大部分が石の上を歩く場面でした。最後の下りは足裏が痛くなってしまいました。しかし、ロープウエイに頼ることなく計画通りに歩き通せましたので良しとしましょう。
ルート
ルート数値 距離14.4Km 標高差 (+1,255m, -1,255m) 所要時間 7時間40分(休憩込)
行程 峠の茶屋P-(60分)-峰の茶屋跡避難小屋-(35分)-朝日の肩-(35分)-清水平-(10分)-北温泉分岐-(25分)-三本槍岳-(20分)-北温泉分岐-(10分)-清水平-(30分)-朝日の肩-(8分)-朝日岳-(10分)-朝日の肩-(30分)-峰の茶屋跡避難小屋-(20分)-牛ヶ首-(25分)-牛ヶ首山頂分岐-(30分)-茶臼岳-(40分)-峰の茶屋跡避難小屋-(35分)-峠の茶屋P
ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
経過
前夜9:30頃峠の茶屋駐車場に到着。自動車道を使わなかったので自宅から3時間もかかりました。「那須は遠い」を実感。 駐車場にはすでに10台以上の駐車がありました。私は車中泊は初めて。おまけに車は車中泊には全く適していない車で、運転シートを後に倒したのではデコボコが大きすぎて寝ていられません。後部座席を前に倒してベニヤ板を敷くと何とか寝る広さは確保できるのですが、座しても頭が天井に付いてしまう。ビールを飲みながら寝ようと思っていたのですが、中では飲めず、外でまとめて飲むことになりました。 私は落語を聞きながら寝ることが多いのですが、最近は1席が終わる前に寝入ってしまう。ところが、慣れない車中では文楽(当然八代目)の「船徳」、「鰻の幇間」を聴いても寝られません。しかし、CDを消してぼんやりと暗闇を眺めている内に寝てしまいました。
何時頃か判らないのですが、まだ真っ暗な内から駐車場に到着する車がある、また会話を始める輩もいる。そのたびに目覚めるので熟睡できません。4時頃、空がやや白みかけました。車からでると、ヘッドランプを点けて歩き始めた登山者がました。ほかにも、大勢歩く準備を始めているではありませんか。女性単独の方もいました。 私も遅ればせながら登山準備を始めることにしました。 駐車場には随分と車が増えていて、30台以上駐まっていました。
5:15。歩きはじめ。駐車場奥の石段を登ります。
その奥の石段には杖が置かれています。
監視所。事前に準備していた登山届けをポストに入れました。
山の神の鳥居へ進む。
けったいな狛犬。「千と千尋の神隠し」の世界に迷い込むよううな..。
山の神を過ぎると石段が続きます。この石段の丸太は上を少し削ってあり、歩き安い。良い工夫だと思います。 両脇にヤマアジサイが多く見られます。
途中、大田原から来られたという中高年登山者に会いました。花の名前を教えていただきながら、避難小屋までご一緒させて頂きました。
標高1600m辺りからは、樹林帯をでて急に空が広がりました。道も荒れてきました。
南西方向に茶臼岳が。ここからは鬼の角のようなものが見えます。
北方向には朝日岳が。
前方に剣が峰が見えました。右で尖っているのがローソク岩です。
前方の一番へこんだ場所に、峰の茶屋跡避難小屋が見えています。
やっと、避難小屋に着きました。途中、花の写真に追われたので、コースタイムを少し過ぎてしまいました。しかし、花の多い楽しい登りでした。
避難小屋から茶臼岳方向。
避難小屋から剣が峰方向。ビニールシートで覆われているのは、登山道整備の資材のようです。ヘリで運んだのでしょう。今回歩いたコース内でたくさんの箇所においてありました。
剣が峰は東側をトラバースします。花の多いコースでした。残雪期は要注意場所らしいです。 剣が峰の北からは尾根の西方向に廻ってトラバースしますが、ここはクサリ場があって要注意場所です。 しかし、クサリは新しくしっかりしています。足下は一箇所だけ崩落していましたが、それ以外はしっかりと整備されていました。滑りやすい岩に滑り止めの処理がされていました。
朝日の肩に到着。当初の予定ではここから朝日岳に向かう予定だったのですが、風が強いので先に三本槍に向かうことにしました。
朝日の肩の北西の尾根。縦走の重いザックを背負った若者が小ピークを登っています。私もそのピークを登ってしまいましたが、本当は、手前を右方向にトラバースするようです。直進すると崩落地の上を通る少しヒヤッとする場所がありました。帰りはトラバースしました。
隠居倉への分岐。
隠居倉方向。隠居倉の辺りには花が多いらしいです。いつか行ってみましょう。
P1900方向の尾根。P1900。標識がありました。背後はガスがでていて遠望が効きません。
尾根から清水平を見下ろします。かなり広い天空の平原です。
清水平への下り。
清水平の南隅に池がありました。池塘でしょうか。
清水平では真新しい木道が整備されていました。
清水平です。
三本槍岳が見えました。「槍」といっても山容が槍なのではありません。
北温泉分岐です。
一部ぬかっている場所があります。1週間ぐらい前に歩いた人のブログでぬかるみが多いと書いてありましたのでスパッツを着用していたのですが、ここ数日の好天で乾いたようです。ぬかるみはこの写真の場所だけでした。
笹に覆われた道を進みます。綺麗に整備されているので道が見えなくなることはありません。
紅葉が始まっているのでしょうか?
三本槍岳に到着。急にガスに覆われて、視界不良。標識の上にお札が貼られています。
名前のいわれを説明。
帰りは一気に朝日の肩まで戻りました。風は少し弱くなっていたので朝日岳へ向かう事にしました。 近いのですがガスがかかっています。
頂上手前。どう登ろうかと思案していると、左に迂回路がありました。しかし、直登しても同じようなものです。下りはこの岩場を降りましたが、危険箇所はありませんでした。
朝日岳頂上。そのうちこの標識も完成するのでしょう。
頂上にはお札がありました。
肩方向を見ます。先に見えているのが隠居倉のようです。若い登山者が朝日岳を下りていきます。
南東の麓を見下ろします。中央に駐車場が見えます。
剣が峰。東のトラバースルートが見えます。その向こうは茶臼岳なのですが、ガスに覆われています。
西側の岩峰。クサリ場ルートは向こう側を通っています。
クサリ場ルート。クサリはしっかりしているので怖くはないのですが、落石が気になって足早になります。
剣が峰のローソク岩。すぐ崩れそうです。
早朝は数人しかいなかった峰の茶屋跡ですが、10時を過ぎると大勢の登山客で賑わっていました。ここに来た3割の人が朝日岳を目指し、そのまた3割が三本槍を目指すという感じでしょうか。 もちろん、ここにきた大部分の方は茶臼岳を目指すと思います。 風が強いので(7-8mでしょうか)、日差しがあっても暑くは感じませんでした。少しガスに包まれるとひんやりした感じがします。下界の猛暑が嘘のようです。 天候に問題なさそうなので茶臼岳に向かうことにしました。
茶臼の西側を牛ヶ首に向かいます。所々に噴煙を上げている箇所があります。
もっとも盛んな場所。こんな近くにも花が。
有毒ガスの濃度が高いときは通行止めになるのでしょうね。
南月山。なだらかな山容です。
西側の姥が平。この近辺も楽しいコースがいっぱいありそうです。
牛ヶ首に到着
茶臼を見上げる。
ロープウエイ山頂駅方向へ向かいます。 高雄口です。ここから殺生岩まで歩けるそうですが。かなり歩き甲斐がありそうです。
途中、小学生の一行にであいました。山岳ガイドさん先頭で、20人ぐらいでしょうか。保護者もたくさん付き添っていますが。先頭で「こんにちは」と声を変えると次から次へと「こんにちは」が戻ってきて応えるのが大変でした。
ロープウエイ山頂駅近くの分岐です。工事中でした。
ロープウエイを使っても、茶臼岳まではかなり歩きづらいコースを進まねばありません。年配の方・子供などがスニーカーで登っていましたが、大丈夫なのでしょうか、心配してしまいます。
三角点は頂上からはかなり離れた所にありました。標識がないと気付かないでしょう。
茶臼岳頂上に着きました。
祠の基礎になっている岩には落書きだらけです。
山頂の少し南に、「皇太子殿下御腰掛石」の記念碑がありました。大正15年の年号が書かれていましたら、昭和天皇が皇太子時代に登ってこられたようです。
お鉢巡りのコースが見えます。 奧に見えるのが三本槍岳、手前は左から隠居倉、1900峰、赤茶けた朝日岳が見えます。 このコースを廻って、峰の茶屋跡へ戻りました。
峰の茶屋跡では、登山靴を脱いで足裏をマッサージしました。岩の上ばかりを歩いていて痛くなってしまいす。しかし、気休めにしかなりませんでした。
やはり、山に行かないときの訓練を考えないと長距離山行が厳しくなってきたようです。
とにかく計画通り歩く事ができたので良しとしましょう。
下山後は、鹿の湯で汗を流してから自宅へ向かいました。自動車道を利用したので約2時間で戻ることができました。
花
那須は、岩ばかりという印象を持っていたので、花に期待はしていなかったのですが、実際にはたくさんの花を見ることができました。種類は少し少なかったかな。 ただ、花の名前を調べるのに苦労しました。結局不明のものもあります。
季節を変えたり、コースを変えたりして楽しむことができそうです。
白系統の花
ミヤマトウキ。葉がニラネニンジンと違うようです。すこしピンクがかったものも。
ショウマ。多分、「XXXXショウマ」なのでしょうがよく判りません。
不明?
ウラジロタデ。雄株。たくさん見られました。
ウラジロタデ。雌株。雌雄別株なのですね。
これもウラジロタデの仲間なのでしょうか。よくわかりません。
黄色系統の花
オトギリソウ?。各所で見られた。「XXXXオトギリ」との報告もある。詳細不明。
ハクサンオミナエシ
コキンレイカ?
アキノキリンソウ
紫系統の花
コバギボウシ。最盛期は過ぎているようですが、かなり見られました。
ソバナ?
オニアザミ
ヒメシャジン? ミヤマシャジン? イワシャジン? よくわかりません。
エゾリンドウ。オヤマリンドウ。リンドウも咲き始めていました。案内板によると、エゾリンドウは数段花を付けるが、オヤマリンドウは先に一段しかつけないとか。でもよく判りません。
エゾリンドウ?
オヤマリンドウ
三本槍岳への登りで、登山者にぶつからないか心配です。
クロマメノキ
ガンコウラン
赤系統の花
ウラジロヨウラク。1つだけ残っていました。
マルバシモツケ。白い花が咲いていたのでしょうが、茶色い実になっていました。
ススキ。もう秋のはじまりです。
イワカガミの果実。 他の山歩きでも何度か見ているのですが、今回やっとイワカガミの実であることがわかりました。
赤い実。名前不詳。(2014.5.12 アカモノ)
疲れました。
花をブログに載せるのは少なめにしようと思います。