2013年2月23日 須花・山王山

前回、越床峠から寺久保山まで歩きましたが、今回は、その尾根歩きをもう少し北へ伸ばしました。
須花憩の館から尾根に登り、寺久保山分岐までを往復しました。今回の歩きの事前調査では「藪が濃い」、「いやそれ程でもない」いろいろの指摘があったのですが、実際に歩いての感想は「難儀する程ではないが藪はあった」にしましょう。
しかし、前回のルートは眺望も良く満足した歩きができたのですが、今回は「歩いてきた」というだけで、お薦めできるルートではありません。
次回はこの尾根歩きをさらに北へ伸ばす予定です。

ルート

ルート数値 距離9.9Km  標高差 (+920m, -920m)  所要時間 5時間00分(休憩込)

私の行程
須花憩いの館-(30分)-浅間山-(35分)-トンネル上-(85分)-山王山-(15分)-寺久保山分岐-(13分)-山王山-(60分)-トンネル上-(40分)-須花憩いの館

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)20130223-須花・山王山

赤:往路、青;復路

経過

8時少し前に、須花憩いの館へ着きました。ちょうど、駐車場の鉄扉を開けているところでした。終日あいているのかと思っていたのですが違ったようです。

県道208号から、憩いの館への入口に登山口があります。IMGP9209

登山口左手には庚申塚と庚申塔(板碑型なのだそうです)があります。庚申塔は江戸初期に建てられたそうです。なぜなのでしょうか、三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)が彫られています。 IMGP9211

登山道沿いにはたくさんの庚申塚が建てられています。倒れているものもありました。 IMGP9214

IMGP9217IMGP9218周りが篠竹になります。この辺りは綺麗に整備されています。 IMGP9219

無量寺遺跡。朽ちた標識では「無量寺」とは読めませんでした。帰宅後、ネット検索で名前を知りました。寺跡なのでしょうか、由来は不明です。IMGP9221

尾根にのってから、植林地を過ぎると急傾斜の登りになります。なんと鉄パイプの手すりがありました。確かに滑りやすい道だったのですが鉄パイプは不似合いのような気がします。しかし、階段よりは歩き安いのは事実ですが。IMGP9226 子育地蔵だそうです。IMGP9228

下から展望台を見上げます。IMGP9231右側は展望が開けて、主尾根の北側が見渡せました。次回歩く予定の尾根です。IMGP9229飛駒の谷の奥まで見渡せます。奈良部山・丸岩岳も見えているのでしょうか。帰宅後、カシバードで確認すると奥の山脈は丸岩岳と熊鷹山のようです。その間に見えるのが奈良部山です。IMGP9230展望台に着きました。東屋の左にはお不動様が祀られています。だから「不動展望台」だそうです。 IMGP9235展望台からの眺めです。閑馬の山なみが見えます。いつか歩いて見たい尾根です。IMGP9233

展望台から約5分で浅間山に着きます。その手前に大岩がありますが、右手にトラロープ付きでトラバースできます。 浅間山は足利百名山なのだそうです。IMGP9237

右手に祠があります。安全を祈願します。 IMGP9238

左手には壊れた祠があって「須花浅間山の主」と書かれた短冊が置かれていました。主とあらば手を合わさざるをえません。先程の祠とは向きが90度ずれていました。祀る集落が違うのでしょうか。きっとその集落の方向を見ているのでしょう。IMGP9239

浅間山からは南方向に展望が開けます(山火事跡です)。やや左手の丸い頂が山王山です(今回はその先まで歩きます)。右手前が名草山です。名草山の右向こうに見えるのが、足利名草中町のようです。残念ながら寺久保山は左に切れてしまいました。 IMGP9243

浅間山から数分で主尾根にのります。今回はここで南に折れて下ります。次回はここを北西に進むのですが、踏み跡はかなり薄いようです。IMGP9244

下りの左手には岩割桜があります。割っているかどうかは確認しませんでしたが、岩の間に桜がありました。 IMGP9245

多分、狸の溜糞だと思われる糞がありました。富士山麓ウォークの時に案内人に説明してもらったものに似ています。狸が固定の便所を持っているとは驚きです。 IMGP9247

確かに、狸が棲んでいそうな良い感じの尾根です。しかし、この先東側で植林地の伐採が進んでいましたので狸も暢気にはしていられないでしょうね。IMGP9249

小さな石祠。 IMGP9250

名草山です。ここも足利百名山だそうです。三角点がありますが、眺望はありません。IMGP9251

名草山を下ると鎧地蔵尊跡にでます。説明板がありましたが良く読めませんでした。IMGP9253

須花トンネル上に下りて行きます。IMGP9255

トンネル上から尾根に取り付くのは少し面倒でした。そちら方面に進む人は少ないのでしょう。踏み跡は一気に薄くなります。264峰付近です。 IMGP9259

また狸の溜糞を見つけました。少し荒れています。使っているのは私のようにずぼらな狸かもしれません。 IMGP9262

コースには朽ちた倒木が多くなってきます。踏み跡は薄いのですが所々にテープがありました。 尾根をはずさないように注意して歩けば道迷いしないルートですが、程よいテープは安心感をもたらしてくれます。これに頼ってはまずいのですが。

切通になった箇所が近接して3ヶ所有りました。下の写真は一番南のもっとも深く掘られたところです。理由は不明です。峠とは言いづらいので何かを掘った跡でしょうか。奥を確認すれば良かったのですが。ワイヤーのようなものが見えます。IMGP9265

樹間から下彦澗の集落と山なみがみえています。IMGP9267

次第に笹が濃くなってきました。IMGP9269

約270峰の南東に祠が残っていました。大きな榊に守られていました。 IMGP9270

山王山北側のヤセ尾根です。右奥が山王山です。笹がないのでほっとします。樹間から赤城や男体山が見えたのですが、写真ではうまく撮れませんでした。IMGP9271 少し岩があって、安蘇の尾根らしくなります。 IMGP9273

山王山への急登が始まりました。山頂付近は笹がでてきます。 IMGP9278

山王山に到着です。 IMGP9280

山王山も頂上は半分は笹で覆われていますが半分は草地です。頂上が丸く見えましたが、広い山頂でした。IMGP9281

草地には祠があります。ここで少し休憩して、軽い昼食にしました。ポットも持ってきたのですがカップ麺はやめました。早めに下山できそうなので憩いの館で蕎麦を食べることにしました。 IMGP9282

山王山からは登山道が整備されています。植林地内をつづら折りに南西方向に下りると10分足らずで林道にでました。IMGP9285

舗装された林道を数分上ると峠にでます。ここにも庚申塚が建っていました。IMGP9286 峠の登山口から南へ少し登ります。 IMGP9291

数分で寺久保山と塩坂峠の分岐にでます。前回の越床峠から寺久保山への歩きでここまで来ています。これでルートが繋がりました。 IMGP9288

林道に戻りました。ここから山王山へ直登します。登山道を戻っても良いのでしょうが、尾根を歩くという点では少しずれてしまいますので最初から直登予定でした。林道から山王山への取付点です。随分と多くの人がここから登っているようです。 IMGP9292

山王山へは傾斜が急ですが、木に掴まりながら10分弱で登ることができました。 IMGP9293

山王山から北へ下りる時は要注意です。「北のヤセ尾根にのるのだ」と認識していれば迷うことは無いでしょうが、できればコンパスで方向を確認した方が良いと思います。コンパスを出そうかと思ったところでテープが目に付きました。赤テープの場所が下り口です。IMGP9296

私は下りる途中で少しコースを外れましたが、尾根がぼんやりと見えてきたので進路変更してちゃんと尾根に載ることができました。葉の繁る季節ではもう少し下まで行ってしまったかもしれません。ヤセ尾根の開始地点に大岩があります。 目印になります。IMGP9297

今回のルートでは258峰の前後で篠竹の藪が濃い場所がありますが、一番濃いのは258峰の南東でした。 IMGP9300

特に帰りは地図読みもせずに一気に戻るので多少足早になります。そういう時に、笹藪は注意が必要です。今回ももう少しで竹の切り口が喉に刺さりそうになりました。普通、刈られた笹はあまり伸びないと思うのですが、それは切口残したまま私の背丈あたりまで延びていました。細いので刺さっても深くは入らないでしょうが、角度によっては危険です。目にでも刺さったら。気付いたときにはぞっとしました。

須花トンネル上に戻ってきました。ここからは往路を戻らずに尾根を下りました。切通を東に下ります。 IMGP9256

すぐ、須花坂湿原の立て札がある場所に着きます。ザゼンソウがたくさん咲いていました。カメラの下手さを痛感します。コンパクトカメラでももう少しうまく撮りたいものです。 IMGP9301IMGP9305IMGP9307

須花トンネルに下りてきました。明治・大正・昭和の3世代のトンネルが残っていて土木遺産に認定されているという場所です。 まず大正トンネルです。IMGP9309

大正トンネルの入口には馬頭観音がありました。 IMGP9312

県道を渡って杉の小道を少し進むと明治トンネルがあります。 まだ、埋まってはいないようです。説明によると8年もかかったそうです。手掘りですからね。 IMGP9315IMGP9317

帰宅後気付いたのですが、昭和トンネルの写真を忘れていました。

穏やかな県道を憩いの館へ戻りました。IMGP9319

 

付記

憩いの館で蕎麦を食べた後、帰路で非常に危険な目に会ったので記録しておきます。 まっすぐ帰れば良かったのですが、まだ早いので長石林道経由で帰ろうとしたのです。老越路峠から長石林道に入りました。林道には一部雪が残っていたのですが、わだちの部分は融けているし、スタッドレスタイヤも履いているので大丈夫だろうと直進しました。途中、多少タイヤが滑るのを感じることもありましたが、そのまま突き進みました。そして、ついに林道全体が凍り付いている場所に入ってしまいました。当然、前に進めなくなってタイヤは空回りします。戻ろうとしても方向が定まりません。一端停車しました。降りて確認するとまさにコチコチに凍り付いていました。後はあと1mで側溝です。多分、後部がぶつかって脱輪することは無いでしょうが、方向が定まらないので脱輪する可能性もあります。どうしようかと思案しました。JAFに連絡するしかないか。何か敷く物は無いかと思案している内に見事に後に転倒してしまいました。一瞬視界が白くなりました。氷に後頭部を打ち付けてしまったようです。そのショックで思いついたのかどうかは判りませんが、ストックで氷にキズを付けみようと思いました。タイヤの前後の氷をストックの先でゴリゴリと掘りました。それが奏功して何とかそこを脱出できました。
幸運だったのは車が一端停車して考える余裕ができたことと、林道の幅があって、方向転換できたことです。そして何よりもこのアイスバーンに上りで遭遇したことです。下りでは完璧に側壁にぶつかるか最悪谷底でしょう。
帰宅後すぐ医院で看て貰いました。骨に異常はなく内出血の「たんこぶ」だけでした。  Garminの軌跡によるとその場所は後500mで峠でした。
反省、前方を良く確認してから進もう。アイスバーンの手前で停車して確認すれば危険な目に会わずにすみました。
それにしても、標高500mに達しない安蘇の林道にこんなアイスバーンがあるとは。

 

 

 

 

 

 

カテゴリー: 安蘇 パーマリンク

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