2012年12月24日 千部ヶ岳周回

栃木市出流にユニークな弧を描く尾根があります。以前より地図を見ながら歩いてみようと思っていました。今回やっとそれが実現しました。出流は満願寺と蕎麦で有名で、私も何度か訪れた事があります。今回は満願寺に立ち寄ることもなく、蕎麦も食べませんでしたが、静かな山歩きを楽しむ事ができました。
栃木ふれあいの森公園を起点として、千部ヶ岳、P615、寺坂峠と時計回りに尾根を周回しました。
濃い藪がかなりあるのではないかと予想していたのですが、植林地は珍しく手入れが進行中(今まで荒れた植林地しか見ていなかったので手入れされている森林を見ると不思議に思います)で、雑木が伐採されて歩き安くなっていました。少し物足りなさを感じるくらいでしたが、最後に、P410から寺坂峠の間は倒木・雑木・竹藪でハイカーの少ない低山の趣たっぷりでした。
今回のルートは、千部ヶ岳から林道までは遊歩道・林道で路迷いの心配は少ないですが、林道を尾根に取り付いてから寺坂峠までは、踏み跡は非常に薄く地図と地形を照合しながら歩く事になります。しかし、基本的に尾根歩きなので迷うことは少ないのでしょうが、私は見事2ヶ所でミスルートをしそうになりました。その恥は後でさらします。
何時になるかは不明ですが、次回この山域を歩くのはP615から不動岳・高原山・尾出山方面になると思います。どう廻るかは思案中です。2回に分けることになると思いますが。

ルート

ルート数値 距離11.8Km  標高差 (+820m, -820m)  所要時間 5時間40分(休憩込)

行程 ふれあいの森公園-(60分)-千部ヶ岳-(30分)-林道から取付-(70分)-P615-(35分)-P466-(35分)-P410-(60分)-寺坂峠-(20分)-ふれあいの森公園

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)

経過

8時前に出流ふれあいの森に到着。この奥に広い駐車場・管理棟などがありました。

登山口は公園入口の少し南にあります。

杉と檜の森を遊歩道が続いています。「熊に注意」の標識。今回はずっと熊鈴を鳴らしっぱなしで歩きました。耳に鈴の音が憑いて嫌になるのですが安全第一です。

山の神の説明板がありました。山仕事の安全を願って山の神信仰が根付いていたようです。

この上に山の神が祀られていたようです。しかし、今はその信仰も無くなってしまったようで、随分昔に朽ちてしまった屋根が残っていました。

尾根が見えてきました。少し道は急になります。

尾根にでたところが、「護摩壇の旧跡」でした。

ここで、勝道上人が日光開山を決意したのだそうです。そして、ここから尾根づたいに、足尾・日光に続く修験者道があったそうです。

護摩壇近くからの遠望。日光の山には雲がかかっています。

男体山をアップ。

進行方向に見えるのが千部ヶ岳です。

登山口から1時間弱で千部ヶ岳に着きました。注意していないと通り過ぎてしまうような目立たない山頂です。眺望は良くありません。

千部ヶ岳の先に満願寺方面に下りる分岐がありますが、そこは、林道片角観音入線方面へ向かいます。立派に舗装された林道でした。稜線は荒れているようなので、「藪はこの先で充分あるだろうから、ここは良いことにしよう」と、楽なコースを選び林道を進みました。

林道を約10分進んでから山に取り付きました。ここからは道はありません。植林は手入れされていて、傾斜はきつかったですが、杉葉の堆積が少なかったので助かりました。

10分で尾根にでます。尾根が北北西に延びていることを確認して進みます。三角点への分岐です。ここを北東に進んで三角点へ向かいます。

約10分で、他に何にもない三角点に到着しました。

分岐に戻る途中に片角方面が少し望めました。植林地はこのように間引きが進んでいるようです。伐採した材木も運び出されていました。切りっぱなしになっていないのが有り難いです。

分岐に戻って、P615へ向かいます。すぐ糞を見つけました。今回歩いたルートは鹿の糞だらけでしたが、このタイプはここで見ただけです。イノシシの糞でしょうか。

この先で最初のルートミスをしました。先程の分岐からP615に向かうには、まず、西に進んで、支尾根を南に派生させている最初のピークで、北に進みます。そして途中を左に折れるのですが、その地点に気付かずに尾根を降りかけました。その地点です。

ミスに気付き戻りましたが、下りはじめに西に折れなくてはいけませんでした。遠望できないので、地形だけをみると直進するのが主稜線のように思えますが、ここを下りても次のピークはありません。地図では不明瞭な尾根が西に下っていて、その先のコルからは明確な稜線が北に続いています。実際下ってみるとコルがあってその先に尾根が続いていました。今回の歩きで一番の地図読みの難所でした。
このような手入れのされた植林地の尾根を進みました。

P615南のピークです。ここからは南西方面に支尾根が派生しています。ここから5分でP615に着きます。

P615です。正面には鹿沼の山々が見えているのでしょうが眺望は良くありません。ここを左に進んで北西方向には不動岳・高原山・尾出山があります。いつか歩いて見たいと思っています。今回は右に寺坂峠へ向かいます。
ところで、林道から寺坂峠までは標識は一切ありません。ただ、境界杭が所々に打ってあるので参考になります。P615までは栃木市と佐野市の、P615からは栃木市と鹿沼市の境界になります。

P615から北東のピークを目指します。植林地と雑木の境を歩きます。途中遠望のきく場所がありました。

男体山をアップ。

地図で見ると北に少し飛び出したピークからは植林地内の不明瞭な尾根を進まなくてはなりません。この尾根は先で2つに分岐しています。ここで、今回2回目のミスルートをしてしまいました。東への分岐を探していたのですが、気付かずに南へ進んでしまいました。今回は数分そのまま進んでしまってからミスに気付きました。このままでは南方向に尾根を下りてしまいます。コンパスで方向を確認するとやはり南に向かっていました。振り返るとすぐ、先程気付かなかった東への尾根が右下に見えます。ルートファインディングの必要な箇所では振り返って視点を変えることも必要なようです。

尾根には少し踏み跡がある場所もありました。森林作業者の道でしょうか。

P466近くからは、舗装された林道を見ることもできました。迷っても安全なルートです。

P466です。永野地区の集落が見えます。ここでランチにしました。

休憩中風花が舞いましたがすぐ止んでしまいました。

先に進みます。進行方向右寄りには三峰山が見えます。

歩き安い尾根が続いていたのですが、P410手前は薄いですが笹藪がありました。ちょうど私の顔辺りまでの高さです。この辺りはまだ伐採がされていません。

P410も特長のないピークでした。

次第に、山が荒れてきます。倒木の整理もされていません。少しでも歩き安い場所を探して右往左往します。

寺坂峠に近づくとまた竹藪が増えてきました。

しかし、濃い藪の部分は境界部分だけは刈られていました。もし刈られていなかったら、難渋したことでしょう。

寺坂峠に着きました。上から見下ろします。

コンクリートブロックの上まで下りて着地点を探します。飛び降りるには高すぎます。ブロックの上を少し西に移動したところに道に下りられる場所がありました。踏み跡がありますが、多分ここから登ったのでしょう(ここに直接下りてくるのは先達がいないと無理だと思います)。

約20分の林道歩きです。この辺りに下りてくれば良かったと思いますが、藪の状況は不明です。

駐車場は、朝と同じく私の車だけでした。桜が咲いていました。私と同様状況判断を間違えた桜です。急な寒さと霜のせいでしょうか、花がしおれていました(私も最近しおれているなあ)。

今回の歩きはアップダウンが少なかったので疲れは少なかったですね。少し魅力の薄いルートでしたが、地図読みの練習にはなりました。

P615から尾出山までどのように歩こうかと考えています。周回にしなくてはならないので結構面倒なのですが、この試行錯誤が一番楽しいのかも知れません。

 

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