2012年10月13・14日 安達太良山

ある登山教室の企画に参加して、本当の空があるという安達太良山へ行ってきました。私にとって初めての小屋泊になります。ザックも新調(トリコニ60)して挑みましたが、小屋一泊ではザックはスカスカでした。
奥岳登山口から入って勢至平・安達太良山経由でくろがね小屋。翌日は鉄山・箕輪山・鬼面山を経由して野地温泉へ下山しました。
当初の予定では、五葉松平を経由して安達太良山へ登る事になっていましたが、強風のため勢至平経由に変更されました。万一、五葉松平からの稜線で強風に会うとエスケープルートが無いというのが理由でした。勢至平経由では谷筋を登るので強風に会いにくいし、万一風が強くて安達太良山を断念してもくろがね小屋へ下りることができるということでした。成程と感心しました。
ルート

ルート数値
初日  距離7.8Km  標高差 (+914m, -525m)  所要時間 5時間00分(休憩込)
2日目 距離7.8Km  標高差 (+609m, -765m)  所要時間 5時間50分(休憩込)

行程  奥岳登山口-(70分)-勢至平-(10分)-分岐-(60分)-峰の辻-(40分)-安達太良山頂-(30分)-牛の背経由峰の辻-(40分)-くろがね小屋(泊)
くろがね小屋-(40分)-峰の辻-(20分)-牛の背-(15分)-馬の背-(30分)-鉄山-(60分)-箕輪山-(95分)-鬼面山-(30分)-土湯峠-(15分)-野地温泉

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)

経過

(1日目)
8:30頃マイクロバスで奥岳登山口に到着。大勢の行楽客がいました。皆さん紅葉を目当てにきたようです。しかし、強風のためゴンドラは運転中止でした。 出発準備完了後、9:15歩きはじめ。林道を進みます。林道は「馬車道」という標識が有りました。かつてこの道を馬車が荷物をくろがね小屋まで運んだのかも知れません。今はジープで運んでいるそうです。
林道はつづら折りで進みますが、それをショートカットするように登山道が作られていました。ショートカットを過ぎると林道歩きになります。私たち以外にも多くのグループが歩いていました。風はありますが、快晴です。 70分ぐらいで勢至平へ着きました。松の緑と紅葉で見事なはずなのですが、紅葉は色にキレがありません。
鉄山方向です。安達太良山方面です。左から安達太良山・篭山・矢筈の森です。安達太良山は別名乳首山。納得します。峰の辻への分岐。直進するとくろがね小屋へ行きます。しだいに、高度を上げてくると眺望が開けます。鉄山です。赤・青・黄・緑の配色がいいですね。矢筈の森です。小さくしか写っていませんが、くろがね小屋方面から峰の辻に向かう登山道が右下から左上に延びています。登山者もたくさんいました。林道の分岐から約60分で峰の辻に到着しました。大勢の登山者が休んでいます。中央の山が篭山です。牛の背方向に登っていく登山者。私たちは、風を考慮して、左手の谷筋のルートを安達太良山へ向かいました。私たちが進んだ谷筋のルート。安達太良山の東側へ続きます。山頂への最短ルートでもあります。峰の辻から約25分で安達太良山頂の下に到着しました。大勢の登山者が休んでいました。山頂へは岩の間を登らなくてはなりませんが、大部分の人は登っているようです。下から頂上を見上げました。頂上です。風が強くて、かつ人も多くて写真をゆっくり撮る余裕がありませんでした。 三角点?山頂下で昼食にしました。風下になるので、強風はしのげます。前方には和尚山が続きます。安達太良山からは牛の背経由で峰の辻に戻りました。しかし、牛の背までの稜線では強風で写真を撮る余裕はありません。登山教室ですから耐風姿勢のレクチャを受けて即実践しました。ピッケルはないので、ストックに体重を掛けて前屈み低重心で強風をしのぎます。強風は10秒ぐらいで多少和らぐのでその間に少し前進するのだそうです。牛の背では沼の平から吹き上げてくる強風を体験しました(もちろん高所恐怖症の私はかなり後で体験しましたが)。これでも、風速は10m以下だろうということなので、20mを越える場合は這うこともできないのかもしれません。
峰の辻から約20分でくろがね小屋を見下ろせる地点に着きました。鉄山の紅葉です。崩落地が痛々しいです。 振り返って、篭山方面の紅葉です。 くろがね小屋に着きました。

(くろがね小屋にて)

くろがね小屋はほぼ満員でした。賑やかな中で開かれた登山教室の講習は最近の北アルプスやトムラウシの事故でホットな話題になっている「低体温症対策」でした。
講習後は、狭いながらも温泉を楽しむ事ができました。夕食はカレーライス。想像していたよりは美味しかったです。9時消灯なのですが、7時には布団に潜り込んだものの賑やかで寝られません。売店で日本酒を飲んで、何とか眠ることができました。
朝は3時ころには目を覚ましていました。窓を開けて空を見ると見事な星が見えました。5:10頃の朝焼けです。5:50頃に外にでると、鉄山の紅葉が朝日に萌えていました。

(2日目)

小屋では5:30から朝食なのですが、私たちは2番手6時からでした。しかし、事前に準備万端完了させて居たので、6:30には準備体操も済ませて歩き始めました。朝の景色は昨日午後にみた景色とは違って見えました。昨日も見た、小屋を見下ろせる場所からの景色です。
馬の背方向を見上げます。

鉄山からの稜線です。

これからの進行方向、峰の辻方向です。

矢筈の森方向です。

小屋から約45分で峰の辻に到着。昨日強風の中登った安達太良山を見上げます。牛の背にでましたが、昨日の強風が嘘のようでした。矢筈の森近くで休憩。
沼の平は不気味でした。かつての噴火口跡だと云うことですが、有毒ガスの発生で何人もの死者を出しています。現在はそこに下りる登山道はありません。先に見えている湖は秋元湖です。 これから向かう鉄山です。その間の狭い尾根が馬の背です。そこに下る斜面がザレていて掴まるものもありません。講師から「ストックを上手に使って下りましょう」と声が掛かりますが、平衡感覚に乏しい私はへっぴり腰で下りて行きました。距離が短いので助かります。 鉄山へ登ります。ルートは、黒い岩の頂上を左に巻いて進みます。落石注意の標識がありましたが、どうやって注意するのでしょうか。山上ばかり気にしていたら転んでしまいます。早めに気付いても足がすくんで動けないかも知れません。きたらあっさりと諦めるしか方法は残っていないように思います。

鉄山からの眺めです。東側です。阿武隈の山脈は低く広がっています。この先に原発、また甚大な被害を被っている人たちがいると思うと複雑な気持ちになります。
西南西方向には磐梯山が爆裂口を見せています。これもまた甚大な災害をもたらした痕跡です。
北西方向には、いつか訪れたい飯豊の山々がかすかに見えました。右に見えるには吾妻連峰の西大嶺でしょう。北側には避難小屋が見えました。箕輪山への途中中を見ましたが非常にきれいな避難小屋でした。その右向こうにどっしりとした山容をみせているのが、これから向かう箕輪山です。箕輪山手前のコルから見上げます。すばらしい眺めです。 箕輪山へ登る前に、塩沢登山口への分岐がありました。その方向へは手入れがされていませんという掲示がありました。 箕輪山に登ると、前方に吾妻小富士が見えてきます。その左手に見えているのが東吾妻山です。この高さになると、南西方向に猪苗代湖が見えてきます。箕輪山からの下りはかなり荒れていました。登山道が掘れていて霜柱が溶けて滑りやすくなっていました。ただ、まわりが笹に覆われているので、その笹に掴まって下ることができました。緊張の連続だったのか写真が一枚も撮れていませんでした。
下の写真は、厳しい下りから解放されて、コルから箕輪山を振り返ったものです。西方向にはササ原の先に磐梯山が見えます。これから進む鬼面山を見上げます。紅葉と青空が見事です。鬼面山で昼食後、土湯峠へ下りてきました。鬼面山の北側は絶壁になっています。ここからは10数分で今回の山歩きは終了です。野地温泉でゆっくりと汗を流して帰路につきました。

(花)

今回の安達太良山では花を見ることは少なかったのですが、リンドウだけはかなり目立ちました。箕輪山からの下りで、休憩した場所に咲いていました。

カテゴリー: 尾瀬・福島 パーマリンク

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