2012年10月8日 小戸川から奈良部山・熊鷹山

熊鷹山は2度訪れていますが、安蘇で一番と云われている小戸川渓谷へは行ったことがありません。一番のネックは小戸川林道で、狭い悪路で対向車が来たらと思うと運転の上手くない私にはかなりハードルの高い場所でした。西沢口から回り込むことも考えていたのですが、少し時季を外せば訪れる人も少ないだろうと、この時期の訪問にしました。
しかし、せっかく小戸川にいくのだから、ハイトス氏達の報告にある奈良部山へも足を伸ばそうと欲が出て、奈良部山・丸岩岳・熊鷹山・小戸川渓谷という周回ルートを歩くことにしました。
男体山以来1ヶ月山歩きをサボっていたので少し心配していましたが、なんとか歩く事ができました。しかし、奈良部山へのとっかかりの急登、奈良部山北の岩の多いヤセ尾根は疲れました。丸岩岳周辺の笹尾根は気持ちのよいものでした。残念なのは、小戸川上流部の荒れ具合です。杉を伐採したらせめて渓流にかかる部分は片付けて欲しいものです。

ルート

ルート数値 距離7.6Km  標高差 (+821m, -821m)  所要時間 5時間30分(休憩込)

行程   林道終点-(90分)-奈良部山-(60分)-丸岩岳-(45分)-熊鷹山-(110分)-林道終点

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
 今回もGarminの不思議なデータに悩まされました。谷筋で位置把握ができないのは慣れっこですが、尾根でこれほどずれるのは三床山以来です。ルート図上の?マークは写真時刻からGPSログに落とした位置です。ちなみに、スタート時点ではカメラ時刻、GPS位置に大きなずれはありません。

  • 最初の?  奈良部山山名板を撮影した時刻の位置です。東に約100mずれています。
  •  二番目の? 丸岩岳から小戸川へ下りるいちろう新道との分岐位置。南南東に約200mずれています。
  •  三番目の? 丸岩岳山名板を撮影した時刻の位置です。東に約100mずれています。

販社に確認すると、ファームウエアを更新した方が良いかも知れないということなので更新しました。今後は大丈夫かも知れません。これで「みちびき」の信号も受信できるようになるそうです。ちなみに私のは並行輸入品です。

経過

 小戸川林道は乗用車ではギリギリ進める状態でした。数回、軽く車腹をこすりましたが大過無く駐車地にたどり着きました。対向車がいなくて幸いでした。林道終点には1台の車もありませんでしたが、7-8台の駐車はできそうです。奈良部山へは左の林道を進みます。直進すると小戸川渓谷です。駐車地から2分で、小さな標識があります。 「えっ、こんな所を下りるの」と発したくなるような場所です。すぐ、小さな沢を渡ります。親切に標識が付けられています。 尾根までは、かなり急な斜面を登っていきます。最初は伐採地です。下から見上げます。 踏み跡はかすかにありますが、踏み跡を気にせずにとにかく登ります。振り返ると、山の緑と空の青が見事でした。 伐採地を過ぎるても急な斜面は続きますが、所々にピンクテープが見えます。また、標識も小さなものですが、数枚あります。足下は平らな小石が多く、傾斜も急なので結構滑ります。木にペンキで丸マークが書かれていますが、爪で剥いだような跡が気に掛かります。 約40分で尾根にたどり着きました。不思議なものがありました。中央の黒い物体です。きのこかもしれません。目印にするのか誰かが枝を逆に刺してありました。 尾根は奈良部山への登りにさしかかります。 この辺りには栗の木が多いようでイガグリがたくさん落ちていました。実はきれいに食べられています。猿が食べたのでしょうか。それとも。熊棚と思われるものがありました。逆光で見にくいですが、かなり高い位置で棚状になっています。熊鷹山から白ハゲ口に下りるところで見たことはありますが、こちらの方が新しそうです。駐車地から約90分で奈良部山に到着です。この右手に栃木の山紀行さんの山名板もありました。三等三角点です。 少し休憩して、丸岩岳へ向かいます。早速大きな糞が迎えてくれました。これこそ熊の糞のようです。これからすると、二子山で見た糞は熊のものでは無かったようです。今回の歩きではこの手の糞を5-6個見ました。奈良部山から北に尾根を下るとすぐヤセ尾根に至ります。特に小戸川側の傾斜が急なようです。いろんな方に紹介されている大岩です。 ここに到着するまでは絶対に登るぞと思っていたのですが、いざ直面すると怖じ気づいて左に迂回することにしました。しかし、迂回道はすぐ踏み跡が薄くなり急な斜面を横断するようになるので、結局、そこから岩を這い登って尾根筋に戻ることになりました。これじゃ最初から大岩を登っておけば良かったと後悔。岩を登り終えるところで顔前に熊の糞が登場して驚きました。このヤセ尾根は木々に掴まることができて、岩もしっかりしているので恐怖感は少なかったです。木が無かったりザレていれば怖いでしょうね。
岩の多い尾根を過ぎると、緩やかな傾斜の笹尾根になります。左手にはすぐ林道が見えます。きのこ狩りに来たというおじさんが歩く準備をしていて声を掛けられました。丸岩岳までの間で唯一会った人でした。笹尾根は広くなって踏み跡がはっきりしなくなります。しかし、ルートを大きくそれることはないでしょう。丸岩岳方面へまっすぐですから。いちろう新道との分岐です。
いくつかのサイトで照会された石祠。柱が1本折れてしまっていました。丸岩岳に到着しました。なだらかな低い笹に覆われた頂上です。 野峰方面への尾根です。良い景色ですね。いづれこの方向にも歩きたいと思います。
休憩後、熊鷹山へ向かいます。起伏の少ない歩き安い笹尾根を進みます。丁目石がありました。二十一丁目だけでした。約109m毎に有ったはずなのですが他はどこに行ったのでしょうか。そして、この丁目石の基点はどこなのでしょう。根本山でしょうか、十二山神社あたりでしょうか。約2.3Km(21丁目)という距離からすると十二山神社の方が正解のような気がしますが。どの程度の信仰をあつめていたかは不明です。うすゆき新道分岐。左へ下りると石鴨林道へ通ずるらしい。傾いた鳥居。ここを右に下りると駐車地へ向かいます。直進すると熊鷹山へは数分。 熊鷹山山頂には男性3人のグループが2組休憩していました。展望台からの眺望。
奈良部山・丸岩岳方面です。 皇海山。 尾出山。残念ながら、赤城・袈裟丸・日光白根・男体山は雲がかかって見ることができませんでした。
熊鷹山下の祠。これから、小戸川渓谷経由で駐車地へ戻ります。先程の傾いた鳥居を南に下りて行きます。沢の最上部です。登山道は主沢ではなく1つ東側の沢を下りて行きます。 ここを下りて行くと渓流の水音が濃くなってやがて主沢に合流します。 所々に使われなくなったワサビ田の名残があります。 杉が伐採されてそのままになっています。せめて渓谷の近くは片付けて欲しいのですが。夫婦杉のまわりも倒木だらけです。 丸木橋は滑りそうで怖かった。 現在も使われているワサビ田がありました。ネットが痛々しいですが、辛いものを好む野生動物もいるのですね。人間だけの嗜好かと思っていました。それとも辛さを感じないのかも。小坂水神宮だそうです。 またワサビ田があってその先に、いちろう新道が西側から合流します。11本の杉。数えませんでした。 仙の滝。鉄拳が飛んできそうです。 この橋は渡りやすかった。格子に板を打ってくれると歩き安いですね。 5段の滝。まな板の滝。

この後、数分で駐車地に戻れました。私のを含めて3台の車が駐まっていました。

1ヶ月ぶりの山歩きでしたが、筋肉痛も起こらず無事歩き通せました。
今度この山域を歩くとすると、野峰かなと思います。奈良部山の南は怖そうですから。根本山にも行ったことがないので、根本山・三境山周回も良いかもしれません。

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2 Responses to 2012年10月8日 小戸川から奈良部山・熊鷹山

  1. SUZUKI のコメント:

    [小戸川林道は乗用車ではギリギリ進める状態でした。数回、軽く車腹をこすりましたが大過無く駐車地にたどり着きました。林道は、かなり荒れていました。]とのことですが、林道の状態についてお尋ねします。
    私は7月下旬に小戸川林道を軽自動車で通過しました。一か所広範囲にわたりひどくえぐれているところがあり、軽自動車で通過するのは難しいと思われました。幅は軽自動車がすっぽり入ってしまうくらい、長さは軽自動車の3倍くらいの範囲でえぐれていました。近くの広場に車を停めて登山口まで歩くことにしました(約40分)。無理をすれば通れたかもしれませんが、万一身動きが出来なくなったら面倒(ケイタイは圏外)なので、そうしました。上記の場所は今でも同じような状態でしょうか。11月中旬にまた行く予定です。

    • mituman のコメント:

      コメントありがとうございます。指摘されたような崩落場所は気付きませんでした。修理されたのかもしれません。しかし、1ヶ所、路肩が割れているところがあり、そこにタイヤを入れたらまずいなと思われました。そこは少し山沿いを進みました。いずれにしても乗用車向きの道路ではないので、自己責任で慎重に運転するしかないようです。私以外にも2台の乗用車が終点まで行っていました。尾根を越えた東側の大戸川沿いの道路が蓬莱トンネルより北へ2.0㎞付近で、法面の崩落(8月の大雨が原因だそうです)で通行止めになっていますので、現在佐野方面から熊鷹山に行くには小戸川林道で行くしかないようです。

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