袈裟丸山と言っても袈裟丸山に登ったわけでなく、塔ノ沢口から二子山その東峰を往復してきました。塔ノ沢口からの沢筋のルートは渓谷が美しく、新緑も清々しく、ハイカーが少ないので非常に静かで、楽しく歩く事ができました。しかし、賽の河原に着くと途端に賑やかになりました。折り場口からグループでどんどん上ってきます。アカヤシオは昨年よりは少なく、時季も外してしまったようです。
メインルートを外れて二子山へ進むと一気に静かになりました。帰りに一人に会っただけでした。おまけに新しい熊の糞らしきものを見つけたものだから落ち着けません。しかし、二子山東峰(台石山)からの眺望はすばらしかったです。アカヤシオは少ないですが、シロヤシオらしい木々も多いので次回はその時季に訪れたいと思いました。今回は早々に引き上げました。
計画では小丸山へ向かう予定でしたが、沢筋で会った人から「小丸山はまだ。下の方が良い」と教えて貰ったので、昨年、岩山から眺めるだけに終わった1549峰へ行くことにしました。そこもアカヤシオの最盛期は少し過ぎていましたが、大勢のハイカーで賑わっていました。
単独での歩きです。
(2015.8.16 追記)
「台石山」は「二子山東峰」が由緒正しい名前らしい。気にすることなく「台石山」という名前を使っていたが、たしかに「東峰」が「台石山」になったのでは「二子山」が「二子」でなくなってしまう。と言うわけで、「二子山東峰(台石山)」という表記に変更することにしました。いずれ括弧はとりたいと思います。
ルート
ルート数値 距離11.3Km 標高差 (+1,100m, -1,100m) 所要時間 6時間50分(休憩込)
行程(あくまで私の気ままな歩きの結果です。)
塔ノ沢口-(10分)-林道終点-(50分)-寝釈迦-(50分)-避難小屋-(12分)-賽の河原-(13分)-分岐標識-(35分)-二子山-(15分)-二子山東峰(台石山)-(40分)-賽の河原-(3分)-展望台-(20分)-1549峰-(15分)-賽の河原-(7分)-避難小屋-(45分)-寝釈迦-(25分)-林道終点-(5分)-塔ノ沢口
今回も谷筋のGPSログを見て愕然としました。往きと帰りで大幅にずれています。南北方向の移動が苦手なのでしょうか。2点の黒丸は、寝釈迦入口あたりを往きと帰りで時刻ポイントを記録したものです。往きが東の黒丸で、帰りが西の黒丸です。あまりに違っているのでどう解釈すべきか迷ってしまいます。ちなみに、往きでは寝釈迦を下りてから相輪塔(地図では双輪塔ですが案内板は相輪塔になっていました)近くまで行っているのですがその軌跡がありません。今後は谷筋を歩くときは古いGarminも携行すべきかもしれません。
経過
(塔ノ沢口まで)
3:45家を出発。途中牛丼屋で朝食を済ませ、コンビニでおにぎりを購入、道の駅でトイレを借りて5:50頃塔ノ沢口へ到着。駐車場には3カ所で約10台くらいの駐車でした。もっと多いと思ったのですが、折場口と比べると人気がないようです。奥のトイレの横に駐車しました。なぜかそこは先客は1台のみ。
天気は快晴。
林道を奥に進みます。
(賽の河原まで)
最初は林道の続きです。しかし、車で入るのはやめた方がよさそうです。
林道終点で橋を渡って沢筋の道へ入っていきます。かなり朽ちた橋なので注意して歩を進めます。
この橋のすぐ西には滝が落ちていました。
10数分で次の橋に到着しますが、この橋は要注意です。かなり揺れます。
帰りに証拠写真を撮りました。
橋の上の部分は割としっかりしているのですが、片方の支柱は完全に浮いています。また水平方向の柱はかなり古くなっていました。この橋を渡るときは上りでは右側を、下りでは左側を歩いた方が良いでしょう。いや、通行をやめて沢を渡った方が安全かも知れません。私は、そおっと、念仏を唱えながら通りました。
いくつか橋を渡って、林道終点から40分少々で沢出合いに到着します。この出合いで左側の沢へ入っていきます。
この出合いには小さな標識が有るので間違うことはないでしょう。 この標識から左へ少し上ると寝釈迦への階段があります。寝釈迦は正面の岩の上に鎮座されています。
寝釈迦へは階段を上っていきます。
階段を上って、最後は石に掴まって大岩に上ります。男性が岩に上ろうとしています。
その岩の上に、寝釈迦が鎮座まします。この先は絶壁です。
寝釈迦・相輪塔の解説です。
寝釈迦の大岩を階段下から見上げます。
相輪塔へはすぐなのですが沢を越えなくてなりません。なぜか、戸の壊れたトイレがあります。
相輪塔は巨石の積み上がったものでした。良く3.11に耐えてくれました。確かに、女人を惑わす形状をしています。
寝釈迦からは、木橋を2回、沢を8回ぐらい渡れば避難小屋に到着です。途中は、1カ所だけ崩落しかかった場所もありますが、歩き安い、芽吹きの始まった木々と沢の清流を楽めるルートでした。
崩落場所の写真です(帰りに撮りました)。ごく短い範囲なのですが、ササの根でなんとか持っている感じですが、下はえぐれているようです。怖がりの私は、帰りには少し高巻しました。
避難小屋が見えてきました。
避難小屋は新旧2つ有ります。
外から「かんぬき」で戸締まりしていました。新しい方だけ中を見せて貰いました。
近くには斜めになったトイレが。使えるのでしょうか。確認はしませんでした。
賽の河原に到着です。多くのハイカーがいるようです。
(賽の河原から台石山往復)
賽の河原から前袈裟丸山を望みます。アカヤシオは少ないです。賽の河原から「小丸山1.2km 賽の河原0.5km」の標識へ向かいます。途中、二子山方向は歩きやすそうな下草の少ない針葉樹林帯が広がっていました。しかし、標識まで行くことにしました。帰りはこの辺へ出てきました。
標識に到着です。標識は後ろ向きでした。
これが、分岐の標識でした。
分岐が確認できたので少し休憩しました。
行く手はミヤコザサに覆われていますが、多少踏み跡はありそうです。
しばらく、県境に沿って歩いていきます。防火帯だということで、木々は伐採されています。こんなにササがあって防火帯になるのでしょうか。しかし、これに沿って歩くので道を間違うことはなさそうです。所々にオレンジテープがみられました。アカヤシオも少しながらみられます。
ここで、大きな糞を見つけました。かなり太いです。裂れ痔になっていないか心配です。少し緑がかっていて黒ずんでいないので新しいものではないでしょうか。湯気はでていませんでしたが。熊のでしょうね。この尾根には鹿の糞は至る所にありましたが、このようなものはここにしか見つかりませんでした。
音を控えめにしていた熊鈴をちゃんと鳴るようにしました。私は熊鈴を使用するときは、通常モード(普通にぶら下げる)、音控えめモード(フックに掛けて揺れを小さくする)、静止モード(フックに逆向きに掛ける。鈴は上向きになるので、大きく動いた時だけ少し鳴る)を使い分けています。沢は音控えめモードで上ってきたのですが、賽の河原に着いて静止モードにしていました。しかし、この糞をみて一気に通常モードに切り換えました。多分、熊の糞ですよね。
二子山への真ん中当たりの小ピークです。ここで、はじめてGPSで場所を確認しました。向かう二子山を樹間に見ます。左側に見えているのが二子山東峰(台石山)でしょう。
二子山手前の狭くなったコルです。南側は急傾斜のササ原です。
北側は緩やかな傾斜のササ原です。
コルには古木が(ブナ・ミズナラ・ナラ・クヌギ。名前が判りません。これからは木の名前も学習しましょう)。
二子山への上りです。急ではありません。
二子山に到着。
三角点もあります。
樹間から、袈裟丸山の各峰が見えます。
皇海山も。
二子山の南東部に岩がありました。その岩から覗くとその先へ尾根が続いていました。かなりの傾斜です。地図で確認すると寝釈迦近くの出合い方向に続いています。巨石も見えます。
北東の斜面を下りて台石山へ向かいます。かなり急な斜面です。この斜面を下りるとき新しい確かな踏み跡を見つけました。今朝、私より先に二子山東峰(台石山)へ向かった人がいるようです。
東峰(台石山)への上りです。これはかなり急傾斜です。
二子山から15分弱で東峰(台石山)へ到着しました。ハイトス氏が上塗りしたという小さな山名板があります。おかげで字はハッキリと読めました。後のザックを置いてある石は平で大きな岩です。休憩に好都合です。
そのほかにも、頂上には大きな岩がありました。
台石山頂上は北への眺望が開けていました。西側から。前袈裟、後袈裟です。前面は小丸山。
アカヤシオの先に見えるのは、中袈裟、奥袈裟でしょうか。
皇海山。その前やや左に鋸山。
雪に覆われている白根山。その左前は庚申山。中央手前は小法師岳。
男体山。その左で同じような色合いの山が太郞山。男体山に手前で少し茶色に見えるのが社山。それを左にずっと上りギミにいったのが太平山のようです。
計画では台石山で眺望を楽しみながら昼食にするはずでした。岩にどっかりと腰を下ろしたのですが、大きな糞を思い出すとどうも背後が気になるのです。次回は熊鈴を風鈴にする工夫でもしてくるかと思いました。引き返すことにしました。
台石山・二子山・途中の小ピークを過ぎた頃に、この寂しいルートで初めて単独ハイカーに会いました。二子山まで向かうそうです。
そのあたりから少し進路を左にとって針葉樹林帯に入っていきました。ササもなくて歩きやすくなりました。
わらびがたくさん顔を出し始めていました。歩きやすい平地をすぎてメインルートに戻りました。
展望台に上りました。ここの梯子は垂直になっていて、昨年は五十肩最盛期だったので手が上がらず上ることができませんでした。今年は上ることができたので五十肩も随分と良くなったものです。展望台からの眺望です。
赤城山系。
袈裟丸連山。
小丸山方面へ向かうハイカー。
途中、歩道脇の岩に上って、アカヤシオを見ながらオニギリを食べました。
1549峰手前の岩山に着きました。岩山からは急傾斜を下りて1549峰へ向かいます(西に巻くと安全におりられるようです)。きまったルートはありませんが、アカヤシオを求めて右に左に折れながら上っていきます。気をつけないとならないのは、コメツツジ(?)のイバラです。斜面をかなりの密度で覆っています。
1549峰頂上は20人ぐらいのグループに占拠されていました。穴場と思っていたのですが随分と人気のあるポイントになってしまったようです。
1549峰を後にしてからは、一気に塔ノ沢へ戻りました。
沢には小さな滝も多く、清流は飲むこともできそうです。
山歩きで見た花
(林道脇でみた花)
ヤマブキ。駐車場横で。
タチツボスミレミツバツチグリ。こちらはきちんと5弁です。
クヌギ?の幼木(ドングリから芽がでたのでしょうね)。
ツボスミレ(ニョイスミレ)。サイズがわかるように物差しを用意しました。
(沢筋でみた花)
ニリンソウ。ニリンソウはいろいろな場所で群落を作っていました。
この花は花をつけいるのは少ないですが、かなりの群落を形成しているようです。
ヤマエンゴサク。
マムシグサ。
コガネネコノメソウ?。小さな花。
オオカメノキ。
フキの仲間でしょうか。避難小屋近くで。
避難小屋を過ぎるとアカヤシオも。
(賽の河原付近)
圓生 一分惜しみ
米朝 一文笛・怪談市川堤・親子茶屋
みつまんさん、こんばんは。
腰を悪くされていたようで、どうされているのかなと気になっておりましたが、すっかりと回復されたようですね。良かったです。これからもますますといったところでしょうか。
二子山、それも台石山まで行かれたのですか。なかなかヤブ志向でいい傾向かと。
あの辺は、やはり脇道に逸れて堪能してみないと。それにしても、みつまんさんは草花にお詳しいですね。うらやましい限りですよ。最近、自分のブログには、どんなにきれいで珍しい花を見ても、名前も分からないものですから、写真を掲載しないようにしています。恥をかきそうですし。みつまんさんは物差しまで持参されているんだ。
さて、鈴の鳴らし方、へぇーと思いながら拝見しましたが、沢での「控えめモード」ですが、これは、本当に、沢水が流れているところでは危ないと思いますよ。むしろ、通常モード+にした方がよろしいのでは。沢の水音で鈴の音は消えます。足尾の巣神山という山を歩いている時、何かうなり声が聞こえてくるので、恐る恐る覗いてみたら熊でした。鈴の音も、沢では相方に聞こえづらくなるものです。ご注意ください。
追伸ですが、日光の羊羹、ここのところ、買い続いています。ゆばに押されて、気づきませんでした。情報ありがとうございました。
コメントありがとうございます。花に詳しいというのではなく、帰宅後、いろいろと調べるのが楽しくなってきたという事でしょうか。沢の「控えめモード」は注意することにします。日光の羊羹ですが、先日「鳴虫山」の帰りに店に寄られた事を読み嬉しく思っておりました。
残念ながらあの糞は熊のではないと思います。あの粒がつながりのあるのはたぶんイノブタではないかと・・・。知っていればそんなに怖がらずにすんだかも?
コメントありがとうございます。イノブタの糞ですか。また一つ勉強になりました。糞も調べると面白そうですね。
突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!
コメントありがとうございます。「すばらしい」かどうかは判りませんが、台石山は静寂で良いところでした。来年は違うルートでいこうと考えています。