2011年9月18日 黒檜岳・社山

日光黒檜岳から社山を縦走してきました。先週の白桧岳でもササ原は経験しましたが、深くて長距離のササ原は初めての経験になります。昨日、雨だったようで、スパッツをつけていてもびっしょり濡れてしまいました。レインスーツのズボンを着用すべきだったようです。
早朝は雲が多かったのですが、天気予報通りにしだいに晴れてきました。しかし、足尾方面からガスが上ってきて期待した眺望を得ることはできなかったのは残念です。
また、先週経験した右膝裏の痛みが再発しました。社山を下りる頃は悲惨でした。その痛みは山歩きで鍛えれば治ると考えていましたがどうやら違うようです。治療のために山歩き計画を見直す必要がありそうです。

ルート

ルート数値 距離17.5Km  標高差 -23m(+1,783m, -1,806m)  所要時間 9時間40分(休憩込)

  行程(あくまで私の気ままな歩きの結果です。)
  千手ヶ浜BS-(26分)-黒檜岳登山口-(31分)-尾根標識-(48分)-1802峰-(35分)-黒檜岳分岐-(10分)-黒檜岳-(15分)-黒檜岳分岐-(17分)-太平山分岐-(42分)-窪地南-(21分)-1816峰-(24分)-1792峰-(19分)-標識-(27分)-社山-(80分)-阿世潟峠-(23分)-阿世潟-(93分)-BS

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)

(経過)

(千手が浜) 自宅を2:50発。すき家で朝食。3:10発。渋滞無く、5:05赤沼駐車場に到着。駐車場は半分ぐらいしか空いていませんでした。
5:30発のバスに乗りました。20人弱の乗客ですが、半数はカメラマンです、小田代ヶ原で降りました。小田代ヶ原はすでに大勢のカメラマンがシャッターチャンスを待っていました。
途中で、5-6名の登山客が降りました。ヘルメット・ザイルを持って、腰の金具をチャラチャラ音を立てて降りていきました。沢登りを楽しむのでしょう。千手が浜まで行ったのは4人。
乗ってきたバスです。ハイブリッド車だそうです。

(登山口まで)
千手が浜から男体山を見上げます。雲しかみえません。
社山方向をみます。

千手が浜で写真を撮っていると同じバスでやってきた方(Aさんとします)と会いました。黒檜岳から太平山を往復するそうです。Aさんは宿堂坊山や大岳など一般的にでないルートをよく歩いているそうです。登山口まで同行して、そこからは私が先に行ったのですが、尾根標識・黒檜岳分岐で再会して、いろいろな話を聞かせていただきました。

千手堂跡
千手堂跡の灯籠。私は気にならなかったのですが、Aさんが「ネットでよく写真を見ます」ということで私も撮ってみました。
千手堂跡からすぐ登山口に着きます。

(尾根標識まで) 登山口でAさんが「私はゆっくり歩きますのでお先にどうぞ」とおっしゃるので、私が先に歩き始めました。しかし、後から経験者が来るということで心強く歩くことができました。
小さな草が密生しています。鹿の好物ではないようです。


黒檜岳への標識です。霧(ガス)が写っています。

途中沢を渡ります。写真の左下から降りて右上に渡ります。流れはわずかですが、崩落気味なので注意しました。

沢の上部です。

倒木がルートを塞ぎます。枝に足をかけて超えました。この他にもいくつか倒木はありましたが、跨いだり、廻ったりして進むことができました。結構新しい倒木です。

シャクナゲの小径です。初夏にはすばらしい光景になることでしょう。

尾根に着きました。ここから、左に尾根筋を進みます。ここで休んでいるとAさんがやってきました。
GARMINを見せてもらいました。私のより少し新しいタイプです。

(黒檜岳分岐まで)尾根からは比較的に歩き安いルートになります。約50分で1802峰に着きます。
「1802m地点」と書いたメモ紙をビニールに入れただけのものですが、大いに役に立ちました。

針葉樹林帯の尾根道を進みます。ところどころルートが判りづらい箇所もありますが、尾根はそれ程幅広でなくテープもしっかり付いているので間違うことはありませんでした。

黒檜岳分岐への最後の登りです。岩の間を上っていきます。

黒檜岳への分岐です。
この地点は、以前は黒檜岳の山名板も置かれていたらしく、その残骸が今も残っていました。
これは何の標識でしょうか。

(黒檜岳)分岐地点を西側に進みます。幅広尾根で、昨日の雨で踏み跡が薄くなり、ルートが判りづらかったですが、少ないテープを探しながら進みました。
最初の「黒檜岳」に到着。この地点には3つの標識があります。


私はこの地点を黒檜岳と思っていました。しかし、近くに雨量観測所があるはずと探していると次の「黒檜岳」に到着しました。
地理院地図に黒檜岳と記載されているのは西側の黒檜岳のようです。どちらが正解なのか私には不明です。しかし、尾根の流れを見ると西側に軍配があがりそうな気もするのですが。
西側の黒檜岳を少し西に進むと雨量観測所がありました。
「眺望よし」と言われていたのですが、木が成長して来たようです。錫ヶ岳が見えました。先週上った白桧岳は木が邪魔して見えません。

分岐まで戻ったところで、再びAさんに会い、10分ぐらい山の話をしました。
黒檜岳の辺りで少し右足にしこりを感じていました。先週、白桧岳からの戻りで経験したものと同じです。分岐で千手が浜へ戻るか続行するか迷いましたが、結局続行することにしました。戻りをためらったのは結構急な下りと沢のあたりのザレ場を嫌だなと思ったからです。 しかし、距離と降りてから駐車場までの戻りを考えると、千手が浜へ戻るべきだったと思います。

(大平分岐まで)大平分岐までは、起伏の少ない平地を進みます。テープをしっかりと把握してから進まないとルートを外しそうです。私も何度も止まってテープ・鉄板を探しました。
10数分でササ原にでました。
ササ原の先に標識があります。大平山へはここを南西方向に進むようですが、踏み跡は判りませんでした。

(1816峰まで)大平分岐からこれから進む方向をみました。ササ原です。踏み跡も明瞭とは言い難いです。しかし、ササ原の踏み跡とはこんなものなのでしょう。ずっと先で気づきましたが、踏み跡にはササはありません。それ以外を強引に歩くとササを踏みつけることになります。長年の踏みつけでそうなったのか、かつて登山道として整備されたのかは判りませんが。ササは30-50cmぐらいですが、深いところでは80cmぐらいありました。
少し進んで大平山方向を見ました。良い天気です。
1926地点辺りのササ原です。
少し下るとなだらかになりました。足尾方面からガスがどんどん上ってきます。逆光の為かガスが強調されます。
振り返ると降りてきた斜面です。青空が見えます。上は晴れているのですが。
標識の少し手前です。右からの風が強いように見えますが、風は強くはありませんでした。しかし、足尾方面からの強風の日が多いのでしょう。木が形態記憶して固まっています。
標識です。この辺で迷うことはないと思いますが、標識は安心感を与えてくれました。
ササを進んでいるとズボンに青虫が付いていました。
窪地に着きました。
この尾根には所々ササの切れたところがあって、地面がでています。多分鹿でしょう。土を掘った跡があります。多分泥を体にこすりつけるのでしょう。
社山への標識があります。ルートはこの先で少し薄い樹林帯に入ります。

樹林帯を過ぎたところで少し休みました。また青虫が付いていました。ズボンはびっしょりです。靴を脱いで靴下を絞りました。雨の翌日のササ原は雨具のズボンが必須ですね。雨具の用意はありますが、いまさらはく気にはなりませんでした。
また動物の足跡が見られました。

(1816峰で)1816峰はよく判りませんでした。しかし、計画段階から「ここを過ぎたら北に折れる」ということは記憶していました。しかし、いざこの辺りにつくとどこで曲がれば良いか判りません。テープがあったのでそこまで下ってみましたがその先の踏み跡がはっきりしません。下に見える尾根はガスの為に遠くまでは見渡せません。北に延びているように見えるが、地図で見る尾根は北東に伸びています。ネット情報のメモによると「1916を超えて標識を左へ」となっていたが標識は見ませんでした。どうしようか。東に少し行ってみましたが余計に踏み跡がなくなりました。そこで、テープ場所に戻って、Garminとコンパスを取り出しました。まず、GarminのGPS情報で現在位置を取得して、左折すべき地点とほぼ同じ場所にいることを確認しました。しかし、コンパスで尾根の方向を確認するとどうしても北向きに見えてしまいます(ガスで尾根の先が見づらかったのですが)。
しばらく思案した結果は「もう少し下りてみよう。それでも判らなかったら戻ってこよう」でした。
実際は、そこから数分下りると踏み跡が判るようになり、尾根が地図通り伸びていることもわかりました。1816峰に到着してから15分ぐらい思案したことに鳴りますが、その思案は何だったのだろうかということになりますが、良い勉強になったという事にしたいと思います。
反省点。
・1816峰で方向を変えることは判っていたのだから、その前のコル辺りから正確な現在位置把握をしなくてはならなかった。
そうすれば、北に延びた尾根、標識も把握できたかもしれない(見えたかどうかは不明ですが)
・コンパスの使用法の練習を繰り返そう。
実値で練習しないと自信が持てない。

(社山まで)1816峰から予定の尾根に乗ることができたのですから快適な尾根歩きにならなくてはならないのですが、その頃には、右脚が黒檜岳分岐で違和感だったものが痛みに変わってきていました。でも我慢して歩くしかありません。
雲の切れ目に白根山方向をみました。
千手が浜方面が見えました。
社山への標識です。後はガスで何も見えません。
1792峰手前のコルが先にみえます。この辺ではササも随分と低くなっています。ササが邪魔になったのは1816峰を下りる所まででした。このぐらいですと踏み跡もしっかり見えるのですが。
1792峰です。ネットでは360度の展望が楽しめるという事だったのですが、北側は樹林帯で眺望を隠しています。
またガスがでてきました。
1792峰を下りたコルの辺りになると北側が開けてきました。男体山が見えます。左に太郎山・山王帽子山が見えます。
南に枯れ木が多い峰を見ながら峰の北側を東に進みます。
少しガレている場所に着きました。ここで昼食にしました。この先の峰は北側が岩峰になっています。
昼食にする前に、靴を脱いで、靴下を絞り、少し石の上で干しました。昼食中に妻から電話がありました(ばっちり電波は届いていました。ドコモです。)。下界は蒸し暑いそうです。しかし、ここは涼しい風が吹いています。ガレ場の暖かさが程よいぐらいでした。

昼食後、これから進む社山を見ました。雲に隠れていますが、手前の荒れた尾根は見えます。
ここでも私はミスルートをしかかりました。東方向にしっかりした踏み跡があるので近道かなと進みました。右足の痛みを抱えている身では近道はありがたい。しかし少し進んで、これはまずそうだとあきらめて戻りました。確定ではありませんが、崩壊地に近づいていました。近道かもしれませんが痛みのある脚で危険な道は歩けません。
とぼとぼと戻って、小ピークへ上ります。数分で標識のある地点に着きました。ここからは北東方向に尾根が伸びています。その尾根は、社山に上って下ることを考えると楽なルートに思えました。しかし、尾根歩きは楽でしょうが、最後の下りがシャクナゲ藪と聞いています。冒険はやめました。
標識を右に社山に向かって下りようとすると下から登山者が上ってきました。たくましい体でおおきなザックを背負っています。黒檜岳分岐でAさんと別れてから久しぶりの人との対面です。黒檜岳あたりでテントを張って明日山を下りるそうです。いまからでも十分下りられるのにと思いましたが、山を満喫したいのでしょうねきっと。この頃には右脚の痛みはかなりひどくなって下りではびっこを引くようになっていました。もしその登山者が私の動きを振り返ったら少し心配になったかもしれません。

社山手前のコルです。少しザレていますが歩行には問題有りません。
右(南西)側の崩落風景です。
荒れたコルから中禅寺湖(華厳の滝)方向を見ます。

コルから社山までは急登です。樹林帯のなかの岩の間を上っていきました。脚の痛みは登りにはあまり感じません。下りが厳しいのです。
社山手前の眺望の良い地点で4人と1人の登山者が昼食を食べていました。
社山に着きました。誰もいません。休日なのに珍しいと思います。


(バスに乗るまで)
右脚の痛みは下りにきついのですが、ここからは阿世潟まで下りが続きます。本当にきつかった。
でも先週同様絶対に自力で下りられるという確信はありました。

少し下りて足尾方面を見ます。ガスが晴れて銅(あかがね)親水公園が見えます。
今の私にとって厳しい下りが続きます。ササの高低はもう関係ありませんでした。
前は半月山です。第2駐車場が見えます。6月には復路の厳しい登りで脚がガクガクになりましたが、今はそれとは別の痛みに襲われています。
男体山方面です。頂上は雲がかかっていますが、随分と雲がとれてきました。
竜頭の滝が見えます。
男体山の稜線から太郞山がはっきり見えますが、その左側はまだ雲がかかっています。高山は標高は低いですが名前の通りポコッと高くなっています。
ススキが秋を告げています。ススキの背景は男体山の稜線と太郞山です。

やっと阿世潟峠に着きました。6月には社山からこの峠まで48分で下りているのですが、80分かかりました。峠でゆっくり休みました。脚のマッサージもしてみましたが状況は改善しません。
この峠で休憩していた男性は足尾方面に下りていきました。「あれ、そちらへ行くのですか」と尋ねると、社山へもあの有名な南尾根を上ってきたというではありませんか。ネットでは見かけるのですが、現実にそのような猛者に会うと感激です。
それにひきかえ、私は脚を引きずりながら阿世潟へ下りていきました。
砥沢あたりから白根山方向を見ます。良い天気になりました。

阿世潟からバス停まで90分強(実際は、バスがなかなか来ないのでバスターミナルまで15分ぐらい歩いてしまいましたから100分を超えることになります)。びっこを引きながら歩きました。この時、やはり黒檜岳から千手が浜に戻れば良かったと痛感しました。バスは渋滞で大幅に遅れていました。

(自宅まで)
16:20。赤沼駐車場着。
男体山が頂を見せていました。

渋滞もあって帰宅したのは19時過ぎ。車を降りる時は脚の痛みで歩くこともまともにできませんでした(車の運転中は平気だったのですが)。

(まとめ)

相変わらず、反省すべき点の多い山歩きでした。右脚の痛みの治療が終わるまで山歩きは控えなくてはならないと思います。残念ながら、これからの山歩き計画は大幅に見直しが必要です。医者と相談しながら変更したいと思います。
しかし、ササ原を歩くのも乙なものです。眺望が良ければ良かったのですが。ところで、ササはいつもあの高さなのでしょうか。あるサイトで6月頃にあるいた記事があるのですが、社山のササぐらいの高さでした。ササ刈りなどあるのでしょうか。少し調査したいと思います。
最後に、本日の歩きは、黒檜岳から引き返すべきだったと思います。万一何かあれば、引き返しているときなら諦めもつきますが、強行中ならきっと悔やむことでしょう。引き返すことの大事さも痛感しました。
無事、帰ることができた時にそう思えたのが今回の山歩きの最大の収穫かもしれません。

 

 

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2 Responses to 2011年9月18日 黒檜岳・社山

  1. 黒檜岳でお世話になりました宇都宮の「A」です。 のコメント:

    過日、黒檜岳ではお世話になりまして、ありがとうございました。
    教えていただいた「みつまんの山歩き」さんで検索し、たいへん立派なHPを拝見させていただきました。しかも、(黒檜岳~社山)山行の日にはアップしてあり、その手際の良さは流石、プロフェッシュナルと感心してしまいました。小生にはとても無理でございます。
    当日、右脚の痛みに耐えて黒檜岳~社山のコースを走破され、たいへんお疲れ様でした。

    さて、黒檜岳分岐でお別れしてから、小生は黒檜岳の2つの山頂に行き、再び分岐に戻り、次に大平山分岐に着いて唖然としました。一面のミヤコ笹の笹原は、社山方面へは何とか踏み跡があり、「みつまん」さんは社山を目指して行かれたんだなぁと思いましたが、大平山への踏み跡がありません。笹原に突入する勇気もなくカラマツの樹林帯まで戻り、笹とカラマツの境で笹の薄いところを捜しながら南西に進みました。が、徐々に笹が深くなり腰くらいの高さとなりました。「みつまん」さんと同じように、前日に降った雨を含んだ笹でズボンはびしょ濡れ、靴の中までグショグショとなりました。おまけに笹に隠れて倒木があり何度も脛をぶつけました。
    南に面する尾根に出ると、足尾方面からガスが湧き上がってきて展望どころか、周辺が真っ白になったら帰りどうしようかと心配になってきました。とにかく笹・倒木と格闘しながらピークを2つ越えるとニ等三角点標石と3枚の山名板のある大平山の山頂に着くことができました。もちろん展望は全くなし。ガスがどんどん流れてきて周囲が白くなってきました。
    焦る気持ちを抑えながら、帰りは笹原をエスケープし、できるだけカラマツの樹林帯を下りました。ふと気がつくと、南に面する尾根を行き過ぎてしまい方向も分からず笹原の斜面で往生してしまいました。GPSで現在地を確認し、ようやく大平山分岐付近に戻ることができました。
     この笹原は、今が一番、深くなっている時季なのかなとも思いました。残雪や降雪の心配もありますが、5月~6月、11月の頃の方が歩きやすかったのかもしれません。

    また、どこかの山でお会いできたらと期待しております。
    時節柄、ご自愛賜りますよう、ご祈念申し上げます。
    特に、右脚の一日も早いご回復をお祈りいたします。

    • mituman のコメント:

      Aさん(勝手にAさんとしてしまいました。申し訳ありません)コメントありがとうございます。脚は医者の見立てではどこも悪くないそうです。しかし、2週連続なので今週は家でおとなしくして、しばらくは短い距離で我慢しようと思っています。
      それと「山行の日にアップ」は違います。Wordpressというソフトを使っているのですが、見かけ上の日付を修正できるのです。さすがに、あの日はバタンキューでした。

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