2011年9月10日 菅沼から白桧岳

久しぶりに好天が期待できる週末になりました。それで、奥日光へ行ってきました。今回は菅沼登山口から、五色沼・白根隠山・白桧岳(しらびだけ)を往復するコースです(帰りには水場を経由します)。
午前中は本当によい天気で、白錫尾根からの眺望はすばらしいものでした。また、先日の雨でできたという期間限定の「小田代湖」を遠望することもできました。
しかし、少し怖い目にも遭いましたし、復路で脚の筋を痛めたらしく、最後の菅沼までの下りはゆっくりと時間をかけて下りてきたのですが、最後には少し脚を引きずるようになってしまいました。相変わらず反省点の多い山歩きでした。

 ルート

ルート数値 距離14.6Km  標高差 0m(+1,795m, -1,795m)  所要時間 8時間40分(休憩込)

  行程(あくまで私の気ままな歩きの結果です。)
  菅沼P-(90分)-弥陀が池-(30分)-五色沼-(20分)-避難小屋-(10分)-白錫尾根入口-(40分)-白根隠山-(40分)-白桧岳-(30分)-白根隠山-(40分)-白錫尾根入口-(10分)-尾根水場分岐-(30分)-五色沼-(30分)-弥陀が池-(100分)-菅沼P

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)
(2017.3.28ルート表示不可を修正。)

弥陀が池付近で行きと帰りでルートが分かれていますが、同じ場所を歩いています。
白根隠山の南西で行きと帰りでルートが少し違っています。これは本当に違っています。南側のルートが正解です。北側は危険なルートです。

 (経過)

(小山) 自宅を1:40発。すき家の牛丼で早い朝食にしました。4時、三本松Pでトイレ休憩。駐車場にはかなりの駐車がありました。菅沼登山口らしきところで、左折しようとしたのですが、ロープが張られています。結局、丸沼まで行ってしまいました。そこで、地図をみながらカーナビに目的地をセットして菅沼まで戻りました。出かける前に目的地をセットしておけば良かったのですが、相変わらずのんきものです。戻るとロープが張られているのはドライブインの前だけで、その手前には登山口への入口がありました。4:50、菅沼登山口駐車場。ところで、金精峠を過ぎて登山口に到着するまでに、5頭の鹿に遭遇しました。車のライトを見ても逃げないので、こちらが回避行動を取りましたが、結構不気味です。夜の金精道路はスピードに要注意です。

(菅沼登山口) すでに7-8台の車止まっていました。歩き始めるには暗いので、ゆっくりと歩き準備を始めます。5:20、夫婦2組が歩き始めたので、その後に続きました。
歩きはじめの頃の駐車場です。

 ここから入っていきます。まだ薄暗いです。

この標識を右折します。

石のごろごろした道を進みます。

コメツガの針葉樹林帯を登っていきます。

一部、崩落地の横を歩きますが、ロープがきちんと張られていました。

次第に岩や倒木が増えてきますが、このルートはしっかりと掴みやすい岩や木の根が多く、かつザレ場が無いので、湯元外山ルートに比べると数段歩き安いルートでした。

多くの登山者の手垢でピカピカになっている根があります。
大木の根元で休憩しました。右側は本日から使い始めるカメラの一脚にもなるストックです。
先週の大雨の影響が心配だったのですが、この辺りでは大きな影響はなかったようです。しかし、小枝がかなり落ちていました。雨に打たれて折れたのでしょう。
6:50 弥陀が池に到着。
朝日に映える白根山です。

弥陀が池分岐です。帰りには多くのハイカーで賑わいますが、まだ静かです。

池の畔から見上げた白根山。青空が見事です。
座禅山方向を見上げます。
五色沼へ向かいます。コルを過ぎるとなだらかな下りになりますが、この先はかなりの急な下りです。

(五色沼) 五色沼に到着。五色山への分岐です。
静かな五色沼です。正面の尾根はこれから向かう白錫尾根です。
先日の雨で水量が増えたのでしょう。
北東から見上げた白根山です。

東から見上げた白根山。右側に山頂のキレットが見えます。

五色沼から避難小屋へ向かいます。シラカバ林を進みます。
避難小屋。

(白錫尾根) 避難小屋右手横から尾根に上ります。約10分で尾根へ。
一応、木で入口は閉じられています。しかし、しっかりとした尾根道が先に続いています。多分、間違って進入することを警告しているのでしょう。この先へ進むには注意が必要ですよという事だと思います。しかし、白根隠山までは危険な箇所もなく、すばらしい尾根歩き・眺望を楽しめます。

まず、なだらかな上りです。
小屋があります。何の為の小屋かは不明ですが、この小屋は国土地理院2万5千分の1の地図にも載っています(今回初めて気づきました)。

小屋の西側の小ピークからの眺めです。これから向かう2385峰、その先に白根隠山が見えます。

白根山です。避難小屋・五色沼への登山道が螺旋状にはっきりと見えます。
白根山の右手に、尾瀬燧ヶ岳が見えました。
南側の庵沢の峡谷です。沢の流れが少しですが、白く輝いてみえました。光線の角度がちょうどいい時間帯だったのかも知れません。中禅寺湖・男体山も見えます。
コルから2385峰を見上げます。
2385峰です。
2385峰からの白根山。右側に小さく燧ヶ岳が見えています。
コルから白根隠山(実際はその手前の小ピークですが)を見上げます。所々にテープがあってルートを知らせてくれます。
手前の小ピークから白根隠山を見ます。あと少しです。復路ではここで昼食にしました。
(白根隠山) 白根隠山に到着。白根山をバックに。
白根山頂上には人影が見えました。
白根山の左には、武尊連峰が見えます。

南西方向に、皇海山・鋸山等の足尾の山々が連なります。皇海山の右奥は赤城だと思います。
ズームアップします。ずんぐりした皇海山、その左に鋸山など11峰、その背後は袈裟丸山連峰です。ということは、中央のへこみは八反張ということになります。皇海山の背後に薄く富士山が見えます。この写真を撮ったのは8:45頃、復路では見えませんでした。

富士山をアップ。
ところで、先日の大雨で小田代ヶ原に湖ができたというニュースがありました。白錫尾根からもその湖を見ることができました。2385峰あたりから見え始めました。中央の小さな湖です。庵沢・高山との位置関係から確かだと思いました。念の為に、帰宅後「カシミール・カシバード」で確認しましたので、まちがい無いと思います。

ズームアップします。

(白桧岳) 白根隠山から白桧岳を見ます。手前に小ピークがあります。左側はザレ場で右側は岩場です。ここで私はミスルートをしてしまいました。小ピークへ直進(実際は少し右より)してしまったのです。
本来は小ピーク手前の枯れ木の所を左に巻くべきでした。それに気づいたのは帰りです。下の写真は帰りに撮りました。
直進してしまった私は、ピークから下をみて少しぞっとしました。しかし、踏跡はあります。このルートを行く人はみんな通るのだから注意すれば大丈夫だろうと下りはじめてしまいました。
今までザレ場はいくつか経験しましたが、これ程の傾斜は初めてでした。登山の入門書には、腰を引かずに靴全体で地面をとらえるなどと説明していますが、傾斜があるのでそれでも滑ります。結局、腰の引けた状態で、後ろ向きでハイマツを掴んで下りてきました。ハイマツのないところでは本当に怖かったです。下までおりたところで、後ろを振り向いたとたんに尻餅をつきました(こんなところでウケねらいは不要なのですが)。
ザレ場を振り返ります。多分、左側の少しくぼんだところから下りてきたのだと思います。

ここから、2つ前の写真の上部にみえる岩の間をすり抜けます。岩を登る事は無いのですが、少し崩落しかかったところを歩きますがザレ場はありません。そこから白桧岳まではササ原が続きます。
白桧岳手前のピークを見上げます。尾根を登っていきます。
そのピークに上ると、まだササ原はまだ続きます。

これが白桧岳への最後のササ原です。尾根から左手にかなり下りていって最後に上り返します。理由は不明ですが、踏跡をたどるとそのようなルートになりました。尾根上はシャクナゲなどがあって歩きづらいのかもしれません。ササは20-30センチぐらいですからそれ程気にはなりません。早朝ではスパッツは必須でしょうね。踏跡は薄いので目をしっかり凝らして進みました。ベテランの方ですと「しっかりとした踏跡がある」となるのかも知れませんが。
白桧岳に到着です。平にはなっていますが、ササだらけで何もありません。山名板もありませんでした。
白桧岳からの白根山です。
その先のルートを確認しました。錫ヶ岳まではまだまだ遠いようです。来年には挑戦したいと考えていましたが、多分無理だろうなと思い始めていました。あのザレ場は嫌だ...
しかし、嫌だ嫌だと思ってもそこを通過しないと帰れません。白桧岳から北の窪地に下りるルートもあるようなのですが、地図でみると傾斜はそれ程きつくは無いようですが、ルートとして確立しているとはいえません。危険もあるでしょう。やはり、一般的なルート(来た道)を戻るしかないと考え、帰路につきました。

問題のガレ場です。左を見ると、ザレてはいますが木が生えているので窪地まで下りられるかなと思いました。しかし、ここを歩いたという記事に巡り会った記憶がありません(帰宅後、このあたりを上ったという記事を見つけました。しかし詳しくはありませんでした)。やはり危険すぎます。正規のルートで帰ることにしました。

ハイマツに掴まって上り始めました。ふと右側を見るともっと歩き安そうな踏跡がありました。これは巻き道か。横に移動しようとしましたが、ハイマツがなくて危険だったので一端下って右側へ廻りました。そちらもザレてはいるのですが、傾斜が緩やかなのでずっと歩きやすかったです。稜線にのぼりつめたところが、2本の枯れ木の場所でした。これならば来年錫ヶ岳に挑戦できそうです。少なくとも消えかかっていた挑戦しようとする気持ちを維持することはできそうです。

危険箇所を通過してほっとして昼食にするとができました。白根隠山を少し下りたところで、毎度のコンビニおにぎりを食べていると、男性2人が上ってきました。白錫尾根で会った最初の人でした。小田代湖の話をしました。その先で、白桧岳まで行くという男性1人に会いました。「絶対枯れ木2本の所を左に巻いた方が良いですよ」と得意気に話しましたが、もしかするとこのルートの常識だったのかもしれません。

白錫尾根からみた五色沼。
同じく前白根山。
困ったことに、2385峰辺りから、右足の膝の裏の筋が少し痛み始めました。平らな所は大丈夫なのですが、上り・下りになると痛みます。こんなことは初めてでした。疲れて筋肉痛になったことはありますが、それも歩き終わってからで、少なくとも歩いている時は痛くなった事はありません。

帰りは五色沼の水場経由で帰ります。ここで尾根から分かれて五色沼方向へ下りていきます。

ここからの下りは、尾根に垂直に下りていく感じです。脚に異変を感じて始めている私にはきつい下りでした。

約15分で水場に着きました。雨が降ったせいか水量は豊富でした。すこし飲んでみましたが味はよくわかりません。ただ、非常に冷たい水でしたので、タオルに浸して汗を拭きました。
この水流れはすぐ下で伏流となって消えてしまいます。水場から7分で五色沼到着。湖畔では大勢のハイカーが休んでいました。山には雲がかかり始めています。
ここからは、往路と同じルートです。
しかし、弥陀が池から菅沼への下りは次第に痛みを増す脚との格闘でした。最初は上り下りの時だった痛みも次第に平地でも痛むようになってきました。しかし、絶対自力で下りられると確信していましたから不安は一切ありませんでした。ただ、この下りが外山尾根や中ッ曽根でなくて本当に良かったと思います。下山時には少し右足をひきずる状態でした。
14時に無事菅沼登山口に着きました。計算してみると、弥陀が池から1時間40分で下りたことになります。コースタイムが1時間30分になっていますからそれ程は遅くならなかったようです。最初平地ではできるだけスピードアップしたのでそうなったのかもしれません。
駐車場は朝と比べると車が随分と増えています。
幸い、車の運転は痛みもなくできたので無事帰宅できました。帰宅後、かかりつけの医者へ行くとまもなく診察終了時刻だったので、レントゲンを撮ることもなく、「疲れでしょう」という訳で湿布薬と鎮痛剤をもらってきました。現在も多少の痛みがあります。

まとめ

今回の山歩きはいくつかの教訓を与えてくれました。

1.ルートは徹底して事前調査せよ。
事前調査しているつもりで漏れている部分があったようです。白根隠山の先のガレ場は行くまでは知りませんでした。しかし、帰宅後再度ネット検索するといくつかの参考にすべき記事がありました。
「ようこそしろうと山ヤの部屋へ」では『道はいったん下り、白根隠直下の角のような部分をみて手前からガレ場の斜面を左に巻きます。』
「栃木の山283+」では『山頂の先にガケがあり、山歩きの不慣れな人は近づかない事だ。』
などいくつか注意すべき情報がありました。
しかし、詳細情報が欠落しているので私の記憶に留まりませんでした。結局は自己責任で臨めと言うことなのでしょう。当然ですが。

2.危ないと思ったら前に進むな。戻って巻き道を探せ。巻き道が無かったら撤退せよ。
いくら情報を集めても、情報が足りないことはあり得ます。今回はたまたま、ケガ無くあのザレ場を下りる事ができましたが、ハイマツがあと1m離れていたら重大事故(私と私の家族と私に関係する人々にとって)になっていたかもしれません。やはり慎重で有るべきと思います。

今回も学ぶことの多い山歩きでした。それにしても、いろんな方向から見る白根山はすばらしいですね。北東から南までを見ることができました。今度は、また違った方向からも見てみたいと思います。

カテゴリー: 日光 パーマリンク

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