2012年5月5日 赤城 大猿川周回尾根

赤城の大猿川周回尾根へ行ってきました。尾根での崩壊地の多さと強風には閉口しましたが、このようなルートを経験できたこととアカヤシオが見られたのでまずは実りの多い山歩きだったということになると思います。単独での歩きです。
このルートは崩壊が進んでいるのでこのままではあと数年で歩けなくなりそうです。
歩き途中で見た花は後半にまとめてあります。

ルート

ルート数値 距離7.0Km  標高差 (+980m, -980m)  所要時間 4時間00分(休憩込)

駐車地-(10分)-登山口-(20分)-つつじが峰合流-(100分)-銚子のガラン分岐-(6分)-茶の木畑峠-(20分)-岳人岩-(60分)-尾根降り口-(15分)-駐車地
*GPS実績には登山口から北西に0.9Km 約35分の歩きが登録されていますが、上記には含めていません。

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)

今回のルートを決めるに当たって参考にしたのは、山と渓谷社の「新・分県登山ガイド[改訂版]9 群馬県の山」とヤマレコにUpされていたGPSデータでした。登山ガイドの方は文章を読まずにルート地図だけを見ていました。まずヤマレコのGPSデータをカシミールに登録しました。すると、登山ガイドのルート図と少し違っています。GPSデータは林道途中で尾根に上っていくのですが、登山ガイドでは林道を進んで谷をかなり進んでから尾根に上るように見えます。多分谷を進むルートもあるのだろうと合点して歩いた結果が今回のGPSログの結果です。
林道終点まで行ってそこから踏み跡をたどって谷の奥へ進んでいきました。しかし、尾根への登り口が見つかりませんでした。そこで、ガイドのコピーを取り出してよく読んでみると「右にあずまや、左手西登山口」と書いてあるではありませんか。東屋は林道途中にありました。尾根は西側に見えているので直登することも考えましたが、安全第一で登山口まで戻ることにしました。この迷い道の結果がGPSログに盲腸のように残っています。
ちなみに、登山ガイドのルート図はいくつか間違っています。「合流地点」はもっと南になります。不動大滝の南東方向です。また小峰通りからの降り口は913峰から少し南へ行ったところになります。文章は概ね合っているのですが、図を作成するときに間違えたようです。
私の方も大いに反省すべきで、参考にするならきちんと文章も読まなくてはいけないと痛感しました。大事に至らなくて良かったです。
上記ルート上の「崩壊地」は一部です。歩くのに気を遣いすぎて写真を撮り忘れた箇所がたくさんあります。

経過

(駐車場まで)
朝5時に自宅出発。自家用車のナビに大猿公園を目的地に登録して出発したのですが、結果的に大回りをしてしまったようです。滝沢温泉の方から廻ってしまいました。大猿公園南側の道がナビでは消えていたのでそのようなルートが選択されたようです。
滝沢温泉から大猿公園に至る林道は舗装はされていますが、落石の多い狭い道でした。注意しながら低速で運転していると山側からカモシカが飛び出してきて車の前方を少し走って谷側に下りて行きました。日光では車道でも早朝には良く鹿に遭遇しますが、カモシカに車道で遭遇したのは初めてです。
7時頃駐車場に到着しました。
すでに3台の車が駐まっていました。テントを張ってキャンプをしている家族もいました。奥に見えるのが赤城の外輪山の一部の横引尾根です。今日は左手の「つつじが峰」から横引尾根まで上って、右手の「小峰通り」で戻ってくるというのが予定ルートです。曇っています。少し小雨も降りましたが、すぐ止みました。 

(登山口まで)
奥(実際はサンズイが付く)比古神社鳥居の脇を奥に進みます。この写真は下山後撮影しました。この鳥居の前には泉があって上流から引いたと思われる水が大量に噴き出していました。この水をタンクで持ち帰っている人もいました。

「おおさる山の家」前の道を左奥に進みます。
この林道脇には春の小さな花がたくさん見られました。右手に東屋がある箇所で左手を見ると登山口があります。

私はこの標識を見忘れたのでこの先まで行ってしまいました。上の写真は戻ってきて撮ったものです。私が間違ったルートも少し紹介します。
奥比古神社です。絵馬の多い神社でした。山歩きが無事に終わることを祈願しました。この時点でミスルートしていたのはお笑いですが。

神社の先で林道は終わります。しかし、踏み跡は小さな沢を越えて続いていました。それで、奥に進んでいきました。

しかし、その先を尾根に上るルートが見つかりません。左側の尾根に上れば良いことは判っているので直登してしまおうかとも思いましたがやめました。崩落地が多いらしいということは知っていましたから尾根直下まで行って崩落地に遭遇するのではロスが大きすぎます。ここで、遅ればせながら登山ガイドのコピーを取り出して説明文を読んでみました。するとルート図では谷から尾根に上るようになっているのですが、文章を読むと「右にあずまや、左手西登山口」となっています。確かに東屋は見てきました。戻ることにしました。
東屋まで戻ると反対側にクマザサに隠れていますが登山口がありました。標識もあります。先ほどはこの標識に気がつきませんでした。多分、花に夢中で気がつかなかったのでしょう。

(つつじが峰)
登山口からは木道を進みますが、笹に隠れた山道でした。ここを歩く人は少ないのでしょうか。

20分弱でつつじが峰の合流点に着きました。石碑と標識があります。

ここからはつつじが峰を上っていきます。名前のようにヤマツツジの多い尾根ですがヤマツツジにはまだ数週間待たねばならないでしょう。尾根は本当に歩き安い部分と崩落して緊張して歩を進めなくてはならない部分が交互にくる感じでした。
こんな尾根だけなら楽しいのですが。

樹間から麓の前橋市街が見えます。その先でぼんやりと見えているのは妙義山系でしょう。完全に晴れてきました。

つつじが峰を10分ほど進むと最初のアカヤシオがありました。しかし、尾根にでてからは強風が吹き荒れていました。のべつ吹いているわけではないのですが、強いときは15mぐらいの強風でしょうか、歩きに影響が出るほどでは無いのですが、風の強いときは心情的には木々に掴まっていないと不安になりました。
尾根の崩壊場所も増えてきました。片方だけが崩れているなら良いのですが、両方が崩れている場所を通過するのは精神的に疲れます。ストックをしまって木々に掴まって歩くようにしました。

しかし、掴まる木が途切れる場所があるので、ストックを1本だけだしてバランスを確保しやすいようにしました。やがて傾斜がきつくなってきたので、山には申し訳ないのですが、ストックの先のカバーをとってストックを固定しやすくしました。木に掴まれない時は、ストックと笹に掴まって斜面を登っていきます。この当たりから今朝ついたと思われる新しい踏み跡に気付くようになりました。結局今回の山歩きでは尾根では誰にも会いませんでしたが、新しい踏み跡を確認すると安心して歩を進めることができます。
下の写真の場所は崩落はありませんが、傾斜があって上りにくい場所でした。

向かいの尾根(西側)の崩落も進んでいます。中央に滝が見えます。

滝の部分をアップします。名前は不明です。

さねすり岩に到着。蜀山人の歌碑です。

さねすり岩では、右側(東側)へ岩の下にもぐるように進みます。
つつじが峰最後の崩壊地です。左側だけでなく右側の崩壊も進んでいました。

つつじが峰の崩壊地はもっとひどい場所もありました。写真に撮ることも忘れて通過することに専念したので場所の確定ができずルート図にも載せていません。両方が崩壊して、倒木の根が尾根に留まっているのでその倒木を利用してなんとか渡れる場所もありました。今は、根がまだしっかりしているので通過できますが、近々その倒木は崩れ落ちるでしょうからそうなるとこの尾根を歩く事は難しくなりそうです。
日光でも崩壊地は多いですが、赤城も同様に火山の噴火物が厚く体積した山が多いですから致し方のない事かも知れません。

とにかく無事横引尾根にたどり着きました。真新しい標識にはハングル・中国語も表示されています。

しかし、標識の先は10mで踏み跡は薄くなっています。あまりそちらへ行く人はいないのでしょうか。先に見えているのは荒山だと思います。

私も、崩壊した尾根歩きで精神的に疲れていたので銚子のガランへは行きませんでした。
ここからは、樹間に地蔵岳・長七郎山を見ることができました。

(小峰通り)
横引き尾根はアップダウンもなく10分弱で茶の木畑峠に着きました。ここで強風を避けて南に少し下りたところで休憩を取りました。

茶の木畑峠からは「小峰通り」と呼ばれる尾根を下っていきます。峠の標識を南東方向に下りて行きます。

この尾根はつつじが峰に比べると崩壊は少なく歩きやすい尾根でした(しかし、半ば当たりから崩壊した尾根が現れてきました)。間違って支尾根に入り込む危険性はあるのでしょうが、間違えやすい場所には赤テープが張られているので注意すれば間違えることはないでしょう。右側に大猿川の谷があってその谷の東側の尾根を下るのだということを意識して歩けば迷うことはありません。不思議なことに、小峰通りに入ると風がやんできました。それだけでも歩き安くなりました。

追分です。ここで東に尾根が分岐しますが、谷から離れないように進みます。進むべき方向が明らかに踏み跡が明瞭ですから普通は間違えないと思います。

峠から約20分で岳人岩です。

昨年の地震でも倒れなかったのですね。見事。

小峰通りでも崩壊地が現れてきました。木がしっかりと尾根に食らいついています。振り返って撮りました。

尾根に大木がありました。胴回り2m以上ありそうでした。振り返って撮りました。

大猿川側が大きくえぐれて尾根を歩くのは危険でした。左側に巻き道ができていました(巻き道を作れる場所は良いのですが)。

この当たりでは下りの傾斜のきつい場所がいくつかありました。またそういう場所に限ってすぐ近くが崩壊しています。しっかりと木に掴まって下りて行きました。
檜林が見えてくると歩き安くなります。

大きな山桜が倒壊していました。倒壊しても花は咲いていました。いつ倒壊したのでしょう。

右手に「おおさる山の家」の屋根が見えてくるとまもなく降り口です。

やがて尾根に木の階段がでてくるとすぐに右側へ降り始めます。こちらの階段もクマザサで覆われていました。

約10分で登山口に下りてきます。

大猿公園では数組のグループがバーベキューを楽しんでいました。私は河原で一人寂しくコンビニのおにぎりです。

歩き途中で見た花

(大猿川谷筋)
駐車場のしだれ桜。

名前不明。
エイザンスミレ。

ムラサキケマン。

タチツボスミレ。

白いスミレ。

名前不明。

名前不明。

コガネネコノメソウ。

カタクリがわずかに残っていました。

コガネネコノメソウの群生。

名前不明。

 

(つつじが峰尾根で出会った花)

モミジイチゴ。つつじが峰合流前。

ヤマツツジはまだ堅いつぼみでした。つつじが峰合流前。

ミツバツツジが少し咲き始めていました。つつじが峰合流前。

アカヤシオがここ数日の悪天候にも負けず咲いてくれていました。つつじが峰。

オオカメノキ。

アップで青空を背景にしたオオカメノキ。

アカヤシオ。

 

 

( 小峰通りでであった花)
小峰通りでは花は少なかったです。ヤマツツジの木はたくさんあったので、その季節は楽しいでしょうね。倒木に咲いていたヤマザクラです。見事なシロです。

 

 

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