2013年11月2日 足尾中倉山・沢入山

近頃ブームだという中倉山へ行ってきました。社山から南を見ると荒涼たる尾根が続いています。いつかその尾根を歩いて見たいと思っていました。
この尾根については、Web情報でたくさんの写真を見ていましたが、実際見た光景はやはり衝撃的なものでした。
人智の足り無さと言ってしまえばそれまでなのでしょうが、自然とのバランスをとった進歩なんぞ絶対に不可能でしょうから、どこかで折り合いをつけて進むしか有りません。そして、起きてしまったことは素直に直視するしか有りません。現在はその直視の方法が問われているのかも知れません。
山歩きという点では、大いに疲れました。当初の計画ではオロ山までを考えていたのですが、沢入山までが限界。今回は、山岳会のMさんと一緒です。もし、一人なら中倉山で折り返していたかも知れません。

ルート

ルート数値 距離13.1Km  標高差 (+1,253m, -1,253m)  所要時間 7時間00分(休憩込)

行程(私のきまぐれな歩きのタイムです。参考にならないかもしれません。)
銅親水公園-(55分)-登山口-(50分)-尾根1280m-(45分)-中倉山-(60分)-沢入山-(45分)-中倉山-(30分)-尾根1280m地点-(30分)-登山口-(45分)-銅親水公園

ルート図(国土地理院 承認番号 平22業使、第453号)20131102-中倉・沢入山

経過

5:20頃に出発して、銅親水公園には7:00に着きました。すでに10台近くの車が駐まっていました。 足尾ダムの水量は豊かです。快晴の予報だった筈なのですが、中倉山には雲がかかっていました。その手前には横場山が不気味な三角形を見せています。IMGP1645

おきまりの導水管橋を通らせて頂いて林道に下りました。高所恐怖症の私でも手すりがあるので渡ることができました。
林道は緩やかに仁田元沢の左岸を上っていきます。途中1箇所冠水している場所がありました。水深数センチですが、3歩水に入ってしまいました。 IMGP1650
林道の北側には小さな沢が何本か流れ込んでいます。 標高826地点のヘアピンカーブには井戸沢があります。この砂防ダムの左手から尾根に登って中倉山に向かった猛者もいるそうですが、危険地帯もあるようなので私が挑戦することはないでしょう。 IMGP1653

下久保沢です。IMGP1654

中久保沢です。林道にまで石があふれています。山からは大量の岩が供給されているようなので、こんな砂防ダムではすぐ満タンになってしまうのでしょうね。IMGP1655

右側がコンクリートで補強されている場所をとおります。次に上久保沢です。IMGP1658

登山口は上久保沢の西側の小さな沢にあります。地形図でみると標高917地点のヘアピンカーブの手前です。ピンクや赤のテープがたくさん付けられていますし、ケルン状の積石もあるので間違うことはなさそうです。IMGP1661

登山口からはすぐ急登がはじまります。小さな尾根を越えて上久保沢に入っていきます。急な傾斜をジグザグに登っていきますが、落ち葉で踏跡は判りづらいですが、ふんだんにテープがあるのでルートを外すことはありません。 葉を落とした樹間から目指す尾根が見えているようなのですがなかなか近づきません。IMGP1667

久しぶりの厳しい登りで疲れてきました。気分が悪くなってきました。Mさんに休憩を要求。水分を補給すると便意を催してきました。大量の便に思わず感動(失礼)。これで気分はすっかりよくなりました。落ち葉できれいに隠してきたのですが、動物の餌になってしまったかも知れません。お味は?

尾根に到着。標高1280m付近です。写真では、左手から登ってきて手前に進むことになります。「やまなみ歩き」によると登ってきたのは谷コースで、この尾根を下る尾根コースもあるということですが、木で通せんぼしています。地図で見ると谷コースと同じような傾斜になっています。尾根ではジグザグにコースがとれないのでかなり歩きづらいでしょうね。それで通せんぼになっているのかもしれません。帰りは尾根コースを考えていたのですが止めました。IMGP1668

尾根からは沢入山・オロ山が展望できます。中倉山は樹木に隠れていました。 尾根をまっすぐ1390mピークを目指します。IMGP1669

1390mピークから、石塔尾根のゴジラ?が見えました。 IMGP1673

アップ IMGP1676

今回のルートでは紅葉はハズレでした。この写真の岩の部分が唯一の見所でした。右の岩の上へは後で立ち寄ることになります。 IMGP1677

紅葉のよさそうなパーツをアップで(3枚とも下山時の撮影です)。IMGP1726 IMGP1727 IMGP1729

ルートは途中で2つに分かれます。(写真は下山時のもの)IMGP1725

直進すると三角点峰の東側に回り込みますが、左折すると、先程の岩の上にでて、歩き安いルートで三角点峰に到着できます。 左折して、岩の上にでました。 IMGP1678

この辺りでは晴れていました。紅葉が陽に映えて見事な筈なのですが、茶色ばかりが目立ちます。黄色が少ないのが残念です。中央がオロ山、その右手が沢入山のようです。左手の一番高いところが塔の峰でしょうか。 IMGP1679

石塔尾根に到着です。三角点峰の少し東の小さなコルにでました。まず、日光の山々が飛び込んできました。中央が男体山、右に半月山です。社山の辺りには雲がかかっています。 IMGP1683

稜線は最初はツツジが目立ちますが次第に消えて、低い笹原になります。 IMGP1684

中倉山に到着しました。 IMGP1686

最初は太平山もどっしりとした山容を見せていたのですが、次第に雲に隠れていきました。 IMGP1685

中倉山の北側はザレた絶壁です。怖がりの私は、縁には近寄れないので「ヘリポート」の写真が撮れませんでした。 IMGP1688

中倉山の少し西側に「孤高のブナ」があります。11/3の読売新聞栃木版によると、樹齢100年以上で足尾の鉱毒を体験しているとの事です。周りの木が軒並み無くなっている中で環境の厳しい尾根にのこような木が残っているのは奇跡と言えるそうです。私たちが、そこに立ち寄ったとき、丁度、読売新聞の記者が「森びとプロジェクト委員会」の会員に案内されて取材を終えたところでした。 ただ、残念だったのはそのブナの紅葉が終わっていたことと今年の紅葉が周り同様冴えなかったと推察できることでした。 IMGP1693

西方向から「孤高のブナ」を見ます。確かによくぞ残っていてくれたと声を掛けたくなるような場所に立っています。 IMGP1696

その先には、狭い岩稜がありました。最初は上を這いましたが、途中から左(南)に下りて巻くことができました。この辺りの岩はしっかり固定したものが少なく、簡単に崩れるものが多いので注意が必要でした。できることなら巻くのが正解でしょうが、南側もザレている箇所もあって嫌な場所でした。 IMGP1697

沢入山手前の登りです。見えているのは沢入山東の小ピークです。 IMGP1701

Mさんは笹とザレの境を歩きます。そこが歩き安いのですが、私はいつのまにか左側寄りにササを踏みつけて進んでいます。右を見るときは足を止めて一呼吸してからです。 IMGP1702

その小ピーク近くになると皇海山を遠望できました。中央遠くに見える山です。その左手にオロ山、庚申山が見えます。手前右よりの山が沢入山です。 IMGP1704

沢入山手前の小ピークです。IMGP1709

沢入山への最後の登りは笹原でした。 IMGP1710

沢入山に到着しました。日光山紀行さんの山名板が落ちていたので一緒に撮影しました。IMGP1712

沢入山の少しさきで景色を楽しみながら昼食にしました。オロ山へ行くことは完全に諦めています。 雲が少しとれてきました。白根山です。 IMGP1715

オロ山と皇海山です。オロ山から北に延びる尾根も魅力的に見えます。オロ山への笹原には4-5本の筋が見えました。獣道なのでしょうか。 IMGP1720

充分休憩してから下山しました。南の笹原を見ると巻道なのか獣道なのか判りませんが踏み跡らしきものが見えていました。しかし、先で下っているように見えたので、谷に下りては面倒ということで、往路を戻ることにしました。

往きでは確認できなかった中倉山東の三角点は何とか確認できました。道の少し南側に隠れていました。 IMGP1724

一気に下ったのですが、最後のジグザグの下りは足に堪えました。

林道で紅葉をみました。今日、間近で見た紅葉ではこれが一番かもしれません。IMGP1738

林道を下ってくると、正面に赤倉山が迫ってきます。IMGP1740

 

 

 
下山後は、かじか荘で汗を流して帰りました。 疲れた1日でしたが、石塔尾根の景観を感じることができたので充実の1日でもありました。

 

 

 

 

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4 Responses to 2013年11月2日 足尾中倉山・沢入山

  1. たそがれオヤジ のコメント:

    みつまんさん、お疲れさま。
    私の予想通りに中倉山でしたか。紅葉がっかりで残念でしたね。
    驚いたことがあります。中倉山の山名板。ありますね。あの山名板、不思議な存在です。消えたかと思うと戻っていたりと。その繰り返しです。先日、歩いた時にはなくなっていました。風で飛んだとしても、回収するのはとんでもないことです。北風にあおられて南側に飛ばされたというのなら納得できますが。
    初めての中倉山ということで、いろいろと課題を残されたのではありませんか。あの山は飽きない山です。みつまんさんが目にした作業道のような踏み跡は、中倉山を巻いて、一般道に合流しています。以前、歩いたこともありますよ。
    ゴジラもまた、直に目にしてください。その先に分かれる、井戸沢の左右岸尾根の蛇行した姿なんか、歩かれずとも、景色だけは圧巻ものです。

    みつまんさんには珍しく、用足しの場面なんか入れられていますね。こういうのは省略すべきことではありませんよ。山歩きなんか、きれい事じゃないですからね。今後とも記事に加えてくださいな。

    • mituman のコメント:

      コメントありがとうございます。大便の件は、たそがれさんの検診の話にできたおならの話に挑発されたわけではないのですが、もともと嫌いな話ではありません。好きでもありませんが、面白ければ何でも良しという事にしていますのでたまには登場すると思います。ただ、程々にはしようと思っています。
      ところであれは踏み跡でしたか。岩の上の眺望地から尾根を登らずに西に延びている踏み跡がありました。それと合流するのかも知れませんね。いつか歩いて見ます。
      ただ、これからはもう少し低山をあるく予定なので来年のヤシオの時期でしょうか。

  2. みー猫 のコメント:

    こんばんわ、みつまんさん。
    お疲れ様でした。素晴らしい景観なのに、かってはどんな風景だったろうと思ったものでした。オロに近づくと自然がまわりを覆いつくすような感覚でした。自分もまた訪問しようと思っております。山名板ですが、数日前に足尾のRRさんが探しに行くとコメ残されておりました。自分のときも風に傾きながらも、その山名板が出迎えてくれましたです。あの急な斜面はつらいですけどね。

    • mituman のコメント:

      コメントありがとうございます。とにかく強烈な印象を受ける光景でした。アルプスのように自然だけがなした光景ではありませんものね。人の行為が招いたものですが、現在の私たちの生活もその上に成り立っていると思うと複雑な心境です。

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